講 師 : 加藤伊都子さん(認定フェミニストカウンセラー)
主 催 : NPO法人 博多ウイメンズカウンセリング
DVの理解と根絶、効果的な被害者支援を行うために
DVの本質は、支配・コントロールするために恐怖を与えることです。被害者は社会的に隔離され続け、経済的自立や自身の人間関係も失う。自信を喪失し、混乱して問題の整理や自己決定もできなくなることも多い。
被害者は加害者から逃れたとしても、その後も怪我や病気、PTSDなどの不安定な精神状態、人間関係や生活環境の大きな変化、不安定な生活基盤など、解決しなければならない多くの問題に直面する。多くの子どもにも夜尿や夜驚などの影響が残る。支援する側は、安心・安全な状況を確保しつつ、被害者の状況に応じた総合的・複合的援助、寄り添う援助を継続することが大切である。自立支援とは、孤立から抜け出し社会とのつながりを回復することを支え、共に歩んでいくものである。
DV加害者の経済力、社会的立場、学歴などはさまざまである。DVが起こるのは加害者の個人的な問題ばかりではなく、固定的性別役割分業感が根強く残る社会に影響されると考えられる。男女平等、男女共同参画が実現し、暴力は許されないという社会を築くための制度を整え、意識を醸成しなければDVはなくならない。
明日へはばたくために
●「暴力をふるわれたあなたに悪いところはありません。」
「辛かったですね。我慢せず暴力からは逃げてよいのですよ。」
「よく相談してくれました。私にできることはありますか。」
● 地域や公的機関、支援団体などで、信じ合い、支え合えるコミュニティを構築しよう
【フォーラム2009】