2007年12月にワーク・ライフ・バランス憲章と行動指針が策定され、今年はワーク・ライフ・バランス元年といわれている。男女雇用機会均等法の制定以来、法律の整備や労働時間を短縮する取組も進んでいるが、柔軟な働き方が可能となる仕組みが確立するには至っていない。
これまでの「職業と家庭生活の両立」は、女性が働き続けるための両立支援が中心であったが、「就労による経済的自立」「健康で豊かな生活のための時間の確保」「多様な働き方の選択」ができる豊かな社会づくり(=男性も含めた働き方の見直し)への取組と考えるべきである。所得や就業形態の希望に柔軟に対応できる労働環境を確保し、ワーク・ライフ・バランスを実現するためには、「同一価値労働・同一賃金の原則」も重要である。
多くの男性は、これまで家庭に関わる時間が持てない働き方をしてきており、男性の意識改革は女性に比べて遅れている。どのような働き方・社会が幸せなのか、社会全体の価値観を変える必要がある。
◆ ワーク・ライフ・バランスを実現するために
① ワーク・ライフ・バランスの実現が重要課題であることを共通認識として、1市民が力をつけ、世論を押し上げていくこと
② 男女労働者及び企業も巻き込んだ意識変革、取組を進めること
③ 長時間労働の規制、育休取得の義務化、同一価値労働・同一賃金の原則の実現、柔軟な雇用形態の確立などに向けた法整備、施策の充実を進めること
④ ワーク・ライフ・バランス先進諸国に学び、実行可能な取組を研究・実践すること
【フォーラム2008】