今、大卒男性の就職が厳しい中で、やっと貧困問題、格差問題が取り上げられるようになってきたが、女性の就業に関しては、長い間「男は仕事、女は家庭」という考えの中で低く捉えられてきた。女性の非正規雇用労働者は50%を超え増加傾向にあり、派遣労働者の3分の2は女性である。
男女雇用機会均等法が施行されて20年が経つが、女性の管理職及び正社員の比率や賃金は、男性に比べて依然とて著しく低いのが現状である。M型労働曲線は台形に近づいているものの女性のピークは25歳で、年齢が上がるほどに正社員比率は下がっており、女性たちは自分の賃金で自立した生活を送ることが非常に困難な実態である。能力成果主義と長時間労働を強いられることによる疲弊、不安定な雇用、人間関係に伴う精神疾患も急増しており、セクハラ被害も後を絶たない。また、パートなど非正規雇用の労働条件にも、長時間労働、転勤、重い責任が付加され、ますます働きにくい状況となっている。
◆ 働く女性が意欲と能力を発揮し、自立できる労働環境とするために
① 女性の相談窓口を設置数・内容ともに充実させること
② 孤立している労働者を結ぶ女性リーダーを育成すること。そのために、ひと1りひとりが持っている力を尊重し、引き出すことができるコミュニケーショントレーニングやエンパワーメントトレーニングを充実すること
③ 働く女性及び支援する者の間のネットワーク強化と情報の共有化を図ること
④ 労働組合の実効ある組織化を高め、女性が働きやすい環境をつくっていくこと
⑤ 女性労働環境の整備を進めるための政治意識を高め、政策提言を行うこと
【フォーラム2008】