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あらき ひろみ(あらきひろみ)さん (2015年3月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

「糸島くるくるマーケット実行委員会」 代表、整理収納アドバイザー

糸島で地域活性化の担い手として奔走

「糸島くるくるマーケット実行委員会」代表、「林業女子会@ふくおか糸島」会長をはじめ、糸島で13もの市民団体に関わっているあらきひろみさん。糸島に長年住んでいるのかと思ったら、「転勤族の妻で、縁もゆかりもないこの地に来て、もうすぐ3年になります」という。

整理収納講座との出合いが人生の転機に

 熊本の自然豊かな地で、鉄工所を営む両親のもとで生まれ育ったあらきさん。工業高校を卒業後、自給自足の生活に憧れて“村づくり”を学ぶべく、熊本大学工学部建築学科の研究室の門を叩いた。入学して4年間通うのではなく、専科生として2年学ぶ道を選んだのは「時間とお金を効率よく使いたかった」から。家業を手伝いながら大学に通い、ラジオ局の番組制作、キャンプ場でのアルバイトもこなした。
 24歳で結婚すると“転勤族の妻”となり、数年おきに横浜、名古屋、三重、大阪と引っ越した。ダンスや料理などの講座に通い、三重では野菜づくりに目覚めて充実した生活を送っていたが、実は30代後半で引きこもった経験があるという。きっかけは、近所に住む女性から 「どうして子どもに恵まれないの?」 と聞かれたこと。「相手に悪気はないとわかっていましたが、言葉が刺さりました。さらにご近所の噂話を聞かされ、自分も噂話のネタにされるかもしれないと思うと、人との距離感がわからなくなって…。人に会わないように、夜に買い物に出る生活を送っていました」。ところが、半年ほど経ち、たまたま目に留まったのが整理収納アドバイザー講座のチラシだった。「もともと片づけは得意ではなかったので、快適な暮らしを手に入れたいと講座を受けてみたら、目からウロコが落ちました。モノや時間、お金、情報との付き合い方を見直したことでムダがなくなり、自分を囲む全ての存在が輝いて見えるように。心地よくラクにいられて、まさに人生が変わったんです」。そして、この感動を一人でも多くの方に伝えたいと整理収納アドバイザー認定講師の資格を取得。すっかり社交的で明るいあらきさんに戻った。

地元の資源を活用する循環型イベントを開始

 夫の転勤は続くものの、生活の拠点を定めるため、糸島に一軒家を構えた。2012年4月、あらきさんは新居で暮らし、大阪に住む夫は月1~3回帰宅するという新生活が始まった。ようやく腰を落ち着けて暮らせる場所ができたことで、あらきさんの意欲は全開に。まずは憧れの「お教室カフェ」からスタート。自宅に様々な講師を招き、生徒を集めて、ご飯やお茶を提供するスタイルで、どんどん人の輪が広がり、糸島が好きな講師の集まり「いとすき講師会」の副代表を務めるようになった。
 また、整理収納アドバイザーとしてお客様の片付けをサポートする仕事が、新しい活動へと発展した。「50代後半の女性の整理収納を手伝っていたとき、お客様がどんどん捨てていらっしゃる姿を見て、私が捨てさせているのかもという思いと、モノに対する罪悪感に苛まれ切なくなりました。まだ使えるモノを引き取って、フリーマーケットをしよう。地域活動の団体にモノを提供すれば、不要品が地域の“いいコト”に変わる。モノが地域のコトになり、人々に笑顔が生まれれば、モノ・ヒト・コトがうまく循環していくと考えたんです」。そんな思いつきから、糸島移住からわずか半年後、「糸島くるくるマーケット」を開催。環境保全グループに不要品を提供し、小規模ながらイベントながら思いのほか盛況だった。そこで年2回開催と決め、3回目からは実行委員会を立ち上げ、40組近くが出展し1500人が集まる一大イベントへと成長させた。7回目となる2015年5月には、新しい試みとして物々交換を行い、会話と物語が生まれる場づくりに挑む。

進化しながら、人生を精一杯輝かせたい

 糸島に来て3年足らずで精力的に活動するあらきさんのもとには、地域活動はもとより不動産や結婚相手探しまで、様々な依頼や相談が舞い込む。つい最近は林業女子会@ふくおかを立ち上げ、環境を守る仕組みづくりと情報発信に力を注ぐつもりだ。「生活の8割はボランティアで、いつもせわしく走り回り、そしていつも謝ってばかり。最初の1年は目が回るような忙しさで、2年目には耳鳴りも。でも今は、それらを乗り越え成長できた自分がいます。ピンチはチャンスと捉え、肥やしにしたい。もともと人と関わることが好きで、困っている人がいたら放っておけない性分なんです。人のお役に立つことで、自分の命を毎日輝かせたい」と朗らかに語る。糸島に根ざす覚悟を決め、地域活性化の担い手として新星のごとくきらめくあらきさんは、誰もが幸せに暮らせる社会に向けて全力奔走している。

                                                                                                          (2015年3月取材)

コラム

私の大切な時間

糸島に住み始めてから、夫と離れて暮らしているあらきさん。月に数回しか会えない生活の中、毎日の電話は欠かさない。「朝と晩に夫と電話で話すひとときが、私にとって大切な時間。その日の出来事やたわいない話をするのですが、やっぱり何より家族が私の原点です。ひとり暮らしをさみしく感じたこともあるけれど、最近は慣れてきました。夫が帰宅したとき、ふたりで農作業をしてお茶を楽しむ時が一番大好きな時間なんですよ」。

プロフィール

熊本県生まれ。工業高校を卒業後、熊本大学工学部建築学科の専科生として2年間まちづくりを学ぶ。24歳で結婚し、夫の転勤に伴い引越しを繰り返す中で、整理収納アドバイザー1級・同2級認定講師の資格を取得。2012年4月糸島市の一軒家に転居。お教室カフェ「ゆとりえ楓舎」主宰をきっかけに「いとすき講師会」副代表となり、「糸島くるくるマーケット実行委員会」代表、「林業女子会@ふくおか糸島」会長などを含む、13の市民団体で活動している。

 

 

 

 


 

 

 

 

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