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石川 たかね(いしかわたかね)さん (2014年7月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

西日本鉄道株式会社都市開発事業本部SC事業部長
(取材時:株式会社インキューブ西鉄 代表取締役社長)

西鉄グループで初の女性社長に就任

 福岡市天神の中心にある大型雑貨店「雑貨館インキューブ」。創業15周年を迎え、女性の視点を活かして大リニューアルを行った。そのオープン日となる2014年6月27日、同店を運営する「株式会社インキューブ西鉄」の代表取締役社長に石川たかねさんが就任した。西鉄グループ84社の中で、女性のトップ就任は初めて。自身への取材が殺到していることについて、「インキューブのPRになるのでラッキーですね。アハハ」とカラリと陽気に笑う。

定年まで働き続けられる会社を選んだ

 東京で生まれ、千葉や広島などに住んだ後、大学から福岡へ。「もうすっかり福岡人です」と胸を張る。就職活動にあたって、最も重視したのは「定年まで働ける会社」だった。「いろんな会社の人事に問い合わせ、大学の先輩を訪ねる中で、西鉄は男女の差がなく働きやすいという話を聞き、志望しました」。
 同社で大卒女性の採用を始めて4年目、1991年に入社。以来、一貫して流通・開発畑を歩んできた。まず配属されたのは、都市開発部門。西鉄福岡駅の開発本部で、8年後のソラリアステージビル完成に向けて、専門店の仮店舗移転から新ビルのフロアコンセプトづくり、運営計画、管理まで、幅広い仕事に従事した。「初めは何もわからなかったけれど、3年過ぎた頃から、自分らしく仕事ができるようになりました。仮店舗、説明会と一つずつクリアして、形になっていくのが面白かったですね。ただ、最後の3か月は抜けもれを埋めるべく、休みなく深夜まで働きました」と苦笑する。

女性の視点で改善点や新サービスを提案

 その後は、ショッピングモール「チャチャタウン小倉」の開発、「だざいふ遊園地」のリニューアルなどを手がけ、2006年社内の女性で2人目の課長に昇進。翌年、商業レジャー事業部へ異動して、ソラリアステージ館長、天神コア館長に。女性ゆえに苦労した経験はないかと尋ねると、「商業施設のメイン顧客は女性。むしろ女性だからこそ発言しやすいんですよ」と話す。そんな言葉を裏付けるプロジェクトがある。西鉄にはグループ会社の女性社員の横断組織「西鉄ブランド委員会 レディスプロジェクト」があり、石川さんは座長を務めていた。「女性の視点を取り入れたサービスや商品の改善・開発を行う組織です。駅のトイレに傘を掛けるフックを設置してほしいと意見を出したり、親子で参加できるイベントを開催したりしました」。西鉄ではここ数年で、女性の課長も増えてきたという。

困らないための鍵は「コミュニケーション」

 2014年6月、グループ会社で初の女性社長に就任。「私、滅多なことでは驚かない性格ですが、社長にとお話をいただいたときは、心底驚きました」と目を丸くして表情豊かに話す。だが「自分ができることは限られている。やるしかない」と腹を決めた。「今までの開発・施設運営側から一転して、今回は初めての小売業。まだ全体を把握しようとしている段階ですが、非常にやりがいがある」と手ごたえを感じている。
 インキューブは天神店をはじめ、九州各地に6店を展開。さらに名古屋市に新店舗をオープンしたばかりで、関西や関東への出店も決定している。「この勢いを消さず、より強い会社にしたい。皆さんに愛され、スタッフが誇りに思える会社を目指して、会社の未来を創っていくのが私の役割です」。上司として尊敬するのは、私利私欲のない人。「私も勉強を重ね、バランスをみながら決断していきたい」。現在、スタッフは150人ほど。「組織や店舗の運営は人が全て。館長をしていたとき、店長が変わると、本部も店のスタッフも店の雰囲気もガラッと変わり、売上が倍増するのを目の当たりにしました。ビジョンを共有することが大切ですね。そして何よりもコミュニケーションをしっかり取ることが肝。私自身、コミュニケーションさえ取っていれば、これまでさほど困ったこともありませんから」と言い切る。
 今の日本では、管理職になることを望まない女性もいる。でも、石川さんは言う。「地位が上がれば、仕事の幅や裁量が大きくなり、自分のペースで面白い仕事ができます。それは確実に自分自身の成長につながる。私は、楽しく成長できる人生のほうがいいと思うんです。だから、むやみに自分の可能性を狭めるのはもったいない」と。この前向きなパワーこそ、インキューブの全国展開への原動力となるに違いない。  (2014年7月取材)

コラム

私の大切な時間

 社長に抜擢されるほどの人物なら、仕事づけの毎日かも…と思ったら、「私、残業はしない主義なんです。よほど仕事が立て込んでいるとき以外は、基本的に定時に帰ります。そのほうがまわりのスタッフも帰りやすいようですし。その分、就業時間中はとにかく全力で仕事に集中します」とオンとオフのメリハリをしっかりつけている。「趣味は小説を読むこと。ホットヨガと水泳にも週1回通っています。15年ほど前から、長期休暇には東南アジアでスキューバダイビングもしています。素晴らしい海の景色に出合うと、心が洗われてスッキリします」。

プロフィール

東京生まれ。父親の仕事の都合で千葉や広島に引越し、福岡にある大学の国文科に進学。1991年、西日本鉄道株式会社に入社。一貫して流通・開発部門に携わり、1999年に係長、2006年に課長に昇進。ソラリアステージ館長、天神コア館長を経て、2014年、株式会社インキューブ西鉄 代表取締役社長に就任。2017年、西日本鉄道株式会社都市開発事業本部SC事業部長に就任。

 

 


 

 

 


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