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江嵜 久美(えざきくみ)さん  (2014年6月取材)

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特定医療法人社団 宗仁会 筑後吉井こころホスピタル 常務理事・事務長

出会う人々から学び、スキルを磨きながら自分らしく働く

 緑溢れる植栽に、ぬくもりを感じる広く明るい空間。“相談に行ってみよう”と気軽に立ち寄りたくなるような、穏やかな時間が流れている。うきは市にある「筑後吉井こころホスピタル」。精神科、心療内科や小児科など、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が訪れる、こころの専門病院だ。現在、理事長、副院長、事務長を女性が担い、その中で、常務理事・事務長として、法人事業の財務管理、事業計画、人事労務管理など経営全般に携わっているのが江嵜久美さんだ。

多くの学びを得た秘書時代

 理事長秘書として奥村病院(現筑後吉井こころホスピタル)に採用され、社会人生活をスタートした。創始者である前理事長の厳しくも温かみのある指導に必死で付いていく日々。少しでもサポートできるようになりたいと、業務改善、仕事の工夫を繰り返した。
 江嵜さんからの質問に、理事長はいつも丁寧に答え、本質的な話をしてくれた。「病院の基本理念や精神科医療に取り組む姿勢、接遇の大切さなど多くの話をしてくださいました。折に触れて当時の話を思い出し、反芻し続けてきたように思います」。社会人1年目から医療法人のトップの話を直接聞くことができた経験は大変貴重だったと話す。

「仕事と育児」どちらもあきらめきれず

 29歳の時に双子を出産。生後4か月の双子と共に職場へ復帰した。「職場に、安心して子育てができるサポート体制があり、仕事を続けることができました」。奥村病院には昭和43年開設の院内保育園があるため、仕事と育児を両立する職員を入職当時から見てきた。「病院は、女性スタッフが多いこともあってか、女性が女性を応援する環境がごく自然にできていたのでしょうね」。
 女性相互の応援体制は育児世代だけにとどまらない。子育て、思春期、親の介護、その折々に自然に声を掛け合う。江嵜さんも多くの先輩ママに助けられてきた。何よりも心強いセーフティネットであるに違いない。
 子育て支援の制度として夜勤免除や短時間勤務体制をとっている。病院経営が厳しい時代、働きやすい環境の維持に努力や工夫も必要だ。仕事と家庭の両立についても、ママだけでなくパパも含めてサポートしていきたいと語る。

力まず焦らずに

 出産後も働きながら知識の習得に励み、それを実践することでキャリアを着実に重ねていった。双子が小学生の時に事務長に就任。事務長という仕事柄、家庭と仕事の両立について多くの課題や悩みに直面してきた。江嵜さん自身、周囲からのバックアップを受け、子育てや親の看取りなど、その時々のライフイベントを乗り越えて働き続けてきた。「決してスムーズに歩んできたとは言えません」。限りある時間をどう使うか。家事をしながら財務の数字を考えたり、今日の出来事を振り返る日々。“こんなことでいいのだろうか”と葛藤もしてきたが、それが今の自分のベストなスタイルとして、肩の力を抜くよう心がけた。
 子どもが小さい頃は特に、“本を読めない、仕事が思うようにはかどらない”と焦ることが多々あった。しかし、生活の中で学ぶ機会は沢山あることに気が付いた。例えば接遇が素晴らしいお店のスタッフや、効率よく仕事を進めるホテルスタッフなど、身近にロールモデルは沢山いる。「気持ちが楽になって、長い時間軸で物事を考えられるようになりました」。そんな自身の体験から、仕事と家庭の両立について職場で相談を受けると「今の自分に無理なく両立できるにはどうしたらいいのか、荷物を一つ下ろすようなイメージで答えを探してみてはどうだろう」と話している。
 男性が大半である病院の事務長職。抜擢したのは、女性である現理事長だ。「多くの体験をし、経験を積むことができています」と話す。これまで出会った人々から、多くのチャンスを与えられ、プロフェッショナルに徹することを学んできた江嵜さん。これからも多くのロールモデルを見つけ、さらにスキルを磨いていく。  (2014年6月取材)

コラム

 忙しい仕事の合間に、江嵜さんが大切にしているのが読書の時間。まとまった時間はなかなか取れないが、寝る前のひと時や、移動の隙間時間を活用している。「本を読んでいると、新しい発想が思い浮かんだり、自分の凝り固まった思考癖に気づくことができたりと、働く母にとっては貴重な学びの時間です」。

プロフィール

久留米市出身。専門学校医療秘書科卒業後、1987年に奥村病院(現筑後吉井こころホスピタル)に理事長秘書として入職。1995年、双子を出産。1997年、情報システム課長を兼任。仕事と育児の傍ら、2002年に産業能率大学経営情報学部、2004年には日本福祉大学大学院国際社会開発研究科修士課程を卒業する。2006年、事務長就任。2007年理事を経て、2010年、常務理事に就任する。診療情報管理士。診療情報管理士育成の非常勤講師、医療・福祉マネジメント非常勤講師など。

 

 

 

 


 

 

 

 

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