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福岡日産自動車株式会社 堤店店長(取材時:法人営業部 部長)
「お客様から多くのことを教えていただける営業の仕事は、毎日が勉強です」と語るのは、福岡日産自動車の法人営業部で部長を務める古賀雅美さん。社内で唯一の女性管理職だ(2014年6月現在)。「男性中心」のイメージが強い自動車業界で、部長に抜擢された古賀さんに、これまでの歩みや思いを伺った。
高校卒業後、地元である北九州市で就職したのは大手エステサロン。そこで、人と接する仕事の面白さを知った。その後、福岡市内で広告営業の仕事をすることになった。経験を重ね、営業の仕事にやりがいを感じ始めたころ、「幅広いお客さまと接する、車の営業が向いているのではないか」という知人からの一言が転機となった。当時、福岡日産自動車に女性の営業は1人もいなかったが面接で「売ります。売れなければクビにして結構です」と自身を売り込み、熱意が通じたのか採用となった。
配属されたのは、法人営業部。飛び込み営業をしながら、新たに法人を開拓することは決して楽ではなかった。顧客から「担当は男性がいい」と面と向かって言われたり、会社の整備担当からは「製品の知識がないだろう」と言われたりすることもあった。しかし、休日返上で仕事に取り組み、製品知識を学ぶことはもちろんのこと、お客様のためになると思ったことは即実行をするように心がけ、1人でも多くの人から名前を覚えてもらえるよう努力した。
ずっと他社を利用している法人に手紙を書いて契約を得たこともあった。「契約が取れると思われてなかったようで、周囲はびっくりしていました」。自分なりの工夫と努力で、売上を徐々に上げ、営業の仕事により、やりがいを感じるようになっていった。
仕事をする上で古賀さんが大切していることがある。忙しい中でも多くの人に会い、人から学ぶということだ。「立って喋るだけで、その人の生き様が表れると思うんです。人としての成長が信頼となり、仕事を任せてもらえる人になれるのだと考えています」と仕事に対する前向きな気持ちを語ってくれた。
しかし、その一方で自身の無力さを感じたり、“本当に必要とされているのか”と自分の居場所に疑問を持つことも少なくなかった。そんなとき、力になっているのが、顧客や女性部下からのエールだ。身近にロールモデルがいないがゆえに戸惑うことも多いが、“古賀さんがロールモデルになって”という周囲からの期待は、彼女の原動力にもなっている。「周囲の女性が“私も長く働きたい”と思ってもらえるように働いていきたいですね」。
その後、法人営業部部長に就任。多くの部下をマネジメントしていく立場となった。人を育てるのは難しく、日々勉強と語る古賀さんだが、部下に対して思いや展望を熱く語ってくれた。「部下を信じて、まずはやってみなさいと、言っています。チャンスをものにできる感性を磨くためには、経験が必要です。自分に与えられたものに対しては、恐れず真正面から受け止めてほしいですね。営業の魅力は、たくさんの出会いを通して自分の世界が広がること。部下にもこの魅力を感じて貰えたら嬉しいです。また、これから女性の営業がもっと増え、近い将来、女性店長も誕生して欲しいですね。肩肘張らずに、女性として自然体で働くことができる環境が整えばいいと思います」。人にも仕事にも真摯に向き合う古賀さんはさらに歩み続ける。 (2014年6月取材)
周囲が驚くほど音楽が好きで、いつでもCDを聞いているという古賀さん。中でも、好きなのが邦楽のポップス。車を運転しながら聞くラジオで、最新のヒットチャートを常にチェックしている。「友達とよくカラオケにも行くんです。聞くのも歌うのも大好きです」と楽しそうに語る。
北九州市出身。高校を卒業後、大手エステティックサロンに勤務。その後福岡市の会社で、広告営業や営業企画を経験し、1995年に福岡日産自動車に入社。2001年、直納第二グループ係長、2005年、直納第一グループ課長、2008年の営業推進グループ次長を経て、2009年に法人部部長になる。2016年より堤店店長。
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【か】 【働く・キャリアアップ】