ロールモデル
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講師情報
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株式会社メリーグラシス 代表取締役、色彩経営コンサルタント
現在、色彩経営コンサルタントとして活躍中の中村さんの色への関心は、高校時代に行ったヨーロッパ旅行がきっかけでした。「モデルでもない普通の人が、パリの街を歩くとなぜか映画の1シーンのようになる・・・街から感じるこの力はなんだろうと思ったんです」。将来のことが漠然としていた当時、なぜかパリでの景色に強い力を感じ、惹きつけられました。「その力はどこから来ているのか。この景色に力を持たせているのはなにか」。
そして見つけた答えが、「色」だったのです。調べてみると、「色彩条例」によって建物に使う色に規制がかけられているということが分かり、ここで「色」の力を知ったのです。そして帰国後「色」を用いたビジネスをしようと決意しました。
帰国後すぐに「色」の原則を知るために勉強を始めました。図書館に毎日通い、絵本、雑誌、小説など、ジャンルを問わずとにかく読む。どの図書館のどの場所に何の本があるかが分かるほどに通われていたそうです。一見絵本や小説は色の勉強と関係ないように思えますが、しかしそれらは、「色」がどんなイメージを喚起させるために使われているのかを読み解く手がかりになるとのこと。小説からは、色がどう形容され、どのようなイメージが託されているかを探りました。同時に、色が深く関係する心理学の勉強も始めました。
ある程度知識が蓄積されると、今度はさまざまな店で「売り子」として働きました。「どの年代がどのような色を好むのか?人を集める色とは?」色彩を基準に売り上げを見てみると想像以上に商品価値が色に左右されていることを知りました。たとえ同じメーカー、同じデザインの商品であっても、一方は人の集りができ、もう一方は見向きもされず安値で売られる。その経験が蓄積された知識と結びつき、『売れる商品』と『売れない商品』の原則を見つけるヒントになりました。
中村さんは、色彩と売り上げの間にある原則を元に「色彩の魔法をビジネスにしよう」と考えたとき、自然と独立の道を選ぶことになったのです。26歳の時、人脈を求めて福岡市男女共同参画推進センター・アミカス主催の「女性の起業支援セミナー」に第1期生として参加。そして27歳で個人事業を始めました。
「確かに起業にはリスクと責任が伴いますが、起業して得た人脈の広がり、手に入れた思い通りの自由な時間、そして『色の魔力』で人を喜ばせる幸せに比べれば、苦労などないようなものです。今の仕事のやりがいは、お客様に喜んでいただけること。そして、なりたい自分に近づいていく楽しさを日々実感しています」。
現在は色彩経営コンサルタントとして売り上げ向上のための色彩指導、アドバイスをしています。対象は商品パッケージから「街並み」まで幅広く、中村さんの仕事は各地、各社で求められています。
中村さんの格言は「先手必勝」。「常に前に向かって行動します。やって失敗したっていい、必ずそこからまた大きく成長するから。先手で手に入れるものの価値は計り知れない。」時間、心のゆとり、信頼関係、人への優しさ、そして成長。実践からの学びを大切にしてきたからこそ、先手が必勝であることを確信されているのです。 「チャンスはすぐそばにあります。人が気付けないようなチャンスに気付ける自分になれることが大切です」チャンスを見つけた時、中村さんのように「見つけたチャンスを生かし、追求し、多くの人を喜ばせる力にする」ことができるかどうかは自分次第なのです。中村さんは今日も先手必勝で夢に向かって前進中です。
(2005年12月取材)
1968(昭和43)年生まれ。
マーケティング、企画・営業を経験後、訪英。1996(平成8)年「色彩経営コンサルタント」として法人設立。1998(平成10)年「足と靴のカウンセリングショップ メリーグラシス」をオープン。「株式会社 クロシス(現社名メリーグラシス)」として事業拡張。色彩心理をベースに、目的に応じた色彩調整やコンサルティングなど、売り上げ向上のための色彩指導・アドバイスを行う。対象は商品パッケージ・店舗改築から住宅、病院、福祉施設、街並みまでと幅広い。
セミナーやテレビ・ラジオ出演、新聞・雑誌などの連載多数。
キーワード
【な】 【起業】 【研究・専門職】