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西山 早苗(にしやまさなえ)さん (2005年12月取材)

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ペットシッター Mojo Mojo 代表

好きなものに飛び込めばいい

 

私の本当に好きなもの

 もともと、一般企業で働いていた西山さん。英語が好きで、就職した企業も英語に関した仕事ができるところでした。
 「就職したての頃はまさか自分がペット関係の仕事で開業するとは考えていなかった」と語る西山さんの〈ペットシッター Mojo Mojo〉起業は、30代になった頃、当時勤めていた企業で行われた大規模なリストラがきっかけでした。その時のリストラでは会社に残ることになったものの、増え続ける仕事量に忙殺される日々が続き、今の自分の仕事への情熱を好きなことに向けたらどんな未来になるのだろうと考えることが幾度かあり、また以前から自分の将来について考えていた西山さんは「本当に好きなことをしたい!」と決意し、会社を希望退社。その後、インターネットでペットシッターという職業を知り、福岡県商工会連合会主催の『創業塾セミナー』に参加し、自分の事業プラン作りに励みました。 また、実際のペットシッターという職業を肌で学ぶために、京都市在住の〈キャットシッター 留守番ねこ〉において実務講習を学び、〈日本ペットシッター協会〉にて資格を取得、2003(平成15)年7月7日〈ペットシッター Mojo Mojo〉を開業されたのです。

 一般企業で働いていた頃には感じなかったことが、ペットシッターという職業を通して多く体験できていると言われます。そのなかには、以前の仕事の中では気づかなかった、「自分がやりたい仕事をやっているからこそ感じるやりがい」もあるそうです。「お客様から言われた『ありがとう』という言葉がすごく心にしみてくるんですよ。会社員の頃はわたしの中にあまりしみてこなかったけれど、自分が選び、好きでやらせていただいている仕事に対して感謝の言葉をいただくと、すごくやりがいを感じます。」その一方で、企業という組織の中の一員であったときには感じなかった苦難もありました。「仕事を立ち上げる上で大変だったことは、営業経験がなかったので営業力の欠如ですね。営業という壁を自分で打ち破ることが困難でした。私の場合は営業力不足を補うためにホームページを活用して誰にでも分りやすいページ構成と表現を使い、営業活動に役立てています。」自分の苦手な分野はそのままにしておかず、それを補う方法を見つけてカバーする。さらに、住宅地を中心に3万枚の広告の配布、ペット関連雑誌に広告掲載するというような、自分の置かれた現状を好転させるような行動力と前向きな姿勢が、西山さんが社会に必要とされるポイントになったのではないでしょうか。
 現在、この仕事の困難なところがないか尋ねてみました。「困難なことはあまりなく、むしろ得している面が多いです。私のお客様の8割が同じ女性ということもあり、警戒されることもなく、受け入れられやすいです。また、ものを言わない動物のお世話をするという面で、観察眼の鋭い女性に向いている職業といえるのかもしれません」。

目指すは「ビジネスとしての動物愛護」

 学校を卒業した後、企業に就職するも英語を話せるようになりたいと、単身イギリスに留学。その後、社会人として経験を積んだ後に開業と、自分の想いを大切にし、努力するアクティブな西山さん。今後の展望について尋ねました。
 「動物病院など、ペットに関する企業との提携や、ペットシッターの育成などに力を注ぎたいと考えているのですが、本当にやりたいことは『ビジネスとしての動物愛護』です。ボランティアのなかでの動物愛護では時間面でも経済面でもどうしても制限されてしまうところがあります。ですからボランティアではなくビジネス、職業として動物愛護の活動を定着させられれば、動物にもそれに関わる人たちにとっても良い結果につながるのではないかと思っています」具体的に自分の夢をどうしたら形にしていけるか、ペットシッターの仕事に日々取り組む過程で自分なりの方法を探していきたいと語ります。
 最後に、自分の好きなことを職業にした西山さんから「職業選択」に悩んでいる人へのメッセージをいただきました。
 「目の前にあるものに飛び込むことも大切。好きなものがあるならそれに飛び込めばいいし、もし今それが見つからないなら組織のなかに入って自分に与えられた仕事に責任を持って取り組む過程で、本当は自分が何をしたいのか考えてもいいと思う。そうすることで自分に何ができるのか、何に向いているのかが具体的に見えてくることがあります。社会人として企業のなかで経験したことは、独立してもすべて役に立ちます。何かを始める場合、タイミングや年齢に左右されることもありますが、やり直しはいくつになっても可能です」その言葉は、西山さんの経歴そのもののようです。
 ペット社会の現代、西山さんの職業のようにペットの世話を引き受ける仕事はますます必要なものです。そのとき、西山さんの掲げる『ビジネスとしての動物愛護』が世の中に受け入れられていくのではないでしょうか。
                                   (2005年12月取材)

コラム

☆近況紹介☆

〔近況をお聞きしました!〕
開業10周年が見えてきました。有り難いことに、年々売上も増え、安定してペットシッター業に取り組めています。開業年数に比例するように、やり甲斐やお客様のお役に立てているという実感を得られ、改めて様々な不安を自分なりのやり方で乗り越えて開業したことに満足を感じているところです。
開業の根底には、「自分らしくあることを求めて、果たして世の中に認めてもらえるのだろうか?」というチャレンジもありましたが、月並みではありますが、誠実さと責任感があれば社会は決して冷たくないということを感じている今日このごろです。これからもしっかりと地に足をつけて仕事に励みます。
(2011年3月)

プロフィール

11年間の会社勤務経験の後、2003(平成15)年7月、自宅を事務所にペットシッター業を開業。
同業他社との差別化を図り、業績を順調に伸ばす。

 

 

 

 


 

 

 

 

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【な】 【起業】

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