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【ロールモデル】
ロールモデルとは
Buono-Buono 経営者
店の前には中学校、周囲は住宅地。子どもたちからお年寄りまで、幅広い年齢層の人々が暮らしている明るく賑やかな街並み。そんな一角に、小さなパン屋Buono-Buonoはあります。白をモチーフにした店内は常に暖かな照明が灯され、とても明るい雰囲気です。店自体はこじんまりとしているけれど、店内は焼きたてのパンとそれを買いに来るお客さんでいつもいっぱい。また食事や喫茶用のスペースもあり、友人と焼きたてのパンやシチューを食べながら会話を楽しむ人もいます。地域のお客様が多く、ベビーカーを押して買いにくる女性や昼食を買いに来る男性、帰宅途中に立ち寄る学生と、常に多くの人々で賑わっています。
そんな街のパン屋Buono-Buonoの店長、奥間くに子さんがこの店でパンを焼き始めたのは2004(平成16)年の12月のこと。もともと奥間さん自身パンつくりが趣味で、長女がまだ幼い頃から自宅でパンを焼いては近所の人々に配るほどでした。そんな「好き」が高じて、地域のパン教室へ友人と通い始めます。 そして５年間かけて全コースをマスター。その後、周囲の人々の後押しによってパン教室の講師の資格を取得します。
そして2002(平成14)年10月、奥間さんは自宅でパン教室をスタートさせます。その直後に、以前勤めていた損害保険のパートを始めましたが、パン教室が忙しくなってきたため、パン作りに専念しようと退職。こうして地域の人々にパン作りを教え始めて暫くした頃のことです。
2004(平成16)年９月、奥間さんは友人に誘われ、福岡県男女共同参画センター「あすばる」で女性起業家支援セミナーを受講します。そこで起業する際のビジネスプランなどを学び、様々な刺激を受けることで、セミナー終了時には自分のお店を開くことを本気で考え始めていました。そして、『いけるかも！』という感覚を掴んだ奥間さんは、その二ヵ月後には現在のお店を開くに至ったのです。
‘思い立ったら即行動’の奥間さんですが、それは開店にあたり「何一つダメな要因がなかった」からだそうです。家族の理解、資金計画、スタッフ、そして店舗。現スタッフたちは皆自分のパン教室に通っていた生徒さんです。店舗を現在の場所に決めた一番の理由は、まだ小学生である長男が下校途中に立ち寄れる場所であったからでした。『パン作りは大切。でも、何よりも家族が大切』という、良き母親でもある奥間さん。
「"起業"自体は意外と簡単なのですよ。大変なのは、その後の維持ですね」 ...なるほど、そう言われてみると。
「事業を維持してゆくために必要なもの、それは１に《健康》、２に《人》、そして３が《お金》です。彼女たちスタッフ抜きでは考えられないですね。ある意味家族です。お金に関しては非常に現実的ですが、これは後からついてくるものですから。」
起業は勢いとタイミング。確かに、新しいことを自ら起こすというのは大変リスクが高い。しかし、ある程度必要な条件がそろえば、あとは自分の足で踏み出すだけなのかもしれない。「40歳を過ぎた頃、『自分に今ないものは何か』『自分にできることは何か』という思いを抱くようになったのです。でも、そういうものは一見遠くにあるようで、意外と身近にあるものなんです。私の場合はパン作りだったわけです。」
起業の秘訣のひとつとして《自分の身近なものを見つめ直すこと》が挙げられるでしょう。自分が夢を実現するためのチャンス、それは意外なところにあるのかもしれません。
（2005年12月取材）
充実していると思うのはどんなときか尋ねると、「それはもちろん、自分の作ったパンが焼きあがった瞬間！そして、お客さんから『おいしかった』という言葉を頂いた時です」と答える奥間さん。
当初から続くホームメイド手法のパンは、子どもからお年寄りまで安心して美味しく食べられるパンとして変わることはありません。今日もお店は、焼き上がるパンの香りでいっぱいです。
2002(平成14)年10月、自宅にてパン教室スタート。当初はまだ時間的に余裕もあり、損保のパートで働く。しかし多忙になったために退職。パン教室のみに活動を集中させる。
2004(平成16)年９月上旬に、男女共同参画センター「あすばる」にて女性起業家支援セミナーを受講。そこでの講義は非常に楽しく、セミナー終了時（10月）には店を開くことを決意する。
2004(平成16)年12月３日、パン屋「Buono-Buono」を開店、現在に至る。
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