【ロールモデル】
ロールモデルとは
アジアンセラピーサララ オーナーセラピスト
張さんは「どうせ定年まで働くなら、好きなことを仕事にしたい」と考えていた。それは、中国人の男性と結婚し、中国には専業主婦という考え方がなく、男女とも正社員で定年まで勤めるのが当たり前という価値観に出会ったからだ。しかし、自分の好きなこととは何か?それが分からないまま、百貨店で働き続けていた。
それを見付けたのは、産休中に同じく育児中だった友人を家に招いたときだった。育児疲れをしていた友人に「美容師さんごっこ」と称してメイクやヘアセットをし、ご馳走を振舞うと、友人はとても元気になり笑顔で帰っていった。このとき、人を元気に綺麗にする「元気にし屋さん」が自分の好きなことであると気付いた。
では、どんな仕事をすれば、「元気にし屋さん」になれるのか?その答えを見付けたのは、人生で初めて足つぼマッサージを受けたときだった。あまりの気持ち良さに「これを自分がしてあげられたらどんなに素敵だろう」と思い、施術中には早くも自身が施術している映像が思い浮かんだ。
張さんは「元気にし屋さんを増やしたい」という思いから、セラピストを養成するための「サララセラピストスクール」を開校した。また、サロン・スクールオーナー向けの勉強会「さらさらカフェ」も主宰している。同業他社に技術を盗まれる不安や心配はないのか尋ねると、「福岡にはまだまだ元気にし屋さんが少ない。その数を増やして、多くの人に元気になってもらいたいので、情報や技術の出し惜しみはしない」と答えた。ただし、「さらさらカフェは習いに来る所ではない。全員が少しずつ情報を持ち寄れば、それだけで勉強になる。また、経営で悩んだときに相談出来る場所がないという声が多かったので、横の繋がりを増やすことで、気軽にやってきて井戸端会議ができるような場所になれば良い」と張さんは語る。
また、自分が忙しかったときに、地域ぐるみで子育てをサポートしてくれた近所の方へ恩返ししたいという気持ちから、町内会や子ども会の行事にも積極的に参加し、店外でも人との繋がりを大切にしている。
「サララ」にはたくさんの方が来店されるが、そのきっかけとなっているのが「サララ通信」という手作りのチラシと、「さらさらカフェ」の仲間が協力して始めた「癒しマンス」というイベントだ。開業して6年間書き続けている「サララ通信」は、年々紙面が広がり今では3日もかけて手書きしている。印刷されたDMではなく手書きにこだわるのは、「手書きの方がお客様の反応が良く、来店促進に繋がった」という百貨店時代の経験からだ。今では「サララ通信」を片手に母娘で来店する方もいる。
また、「癒しマンス」も好評だ。毎年10月に開催するこのイベントでは、これまでエステやネイルサロンなど美容関係のお店を敬遠していた方でも入店しやすいように、各店で1000円の特別メニューを作った。このイベントで初めて来店し、今では常連となった方もいる。
今後は「行けば綺麗になれる街」として福岡を盛り上げるのが張さんの夢だ。その夢を実現するため、美と癒しの技術・サービスレベルの向上を目指す「アジアンビューティー協会」を設立した。
(2011年2月取材)
張さんは「自分で自分の体を触らないから、自分の体の事を知らない人が多すぎる。毎日触って、自分に合った癒し方を見付けて欲しい。」と、セルフケアの重要性を語る。サララでは、施術中やフットバス中の時間を利用して、リンパセルフケアのアドバイスを行っている。また、リフレクソロジースクールも開講中だ。
「アジアンセラピーサララ」オーナーセラピスト。(社)日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。日本オステオパスリフレクソロジスト協会認定 リフレクソロジスト。
福岡市生まれ。百貨店勤務時に足つぼと出会い転職を決意。2004(平成16)年に百貨店を退職。同年、リフレクソロジストの資格を取得して「アジアンセラピーサララ」を開業。「サララセラピストスクール」校長、「アジアンビューティー協会」理事長と多忙の日々を送る中、経営の相談を受ける勉強会「さらさらカフェ」も主宰。
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