ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が実現した社会は、「老若男女誰もが、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発など、様々な活動について、自ら希望するバランスで展開できる状態である。」 (「ワーク・ライフ・バランス」推進の基本的方向報告」抜粋 (平成19年7月内閣府男女共同参画会議 仕事と生活の調和に関する専門調査会)と言われています。
公益社団法人福岡県産業廃棄物協会 課長 岡 重男 さんは、家庭をとても大事にしていますが、自己学習とスキルアップの時間確保への思いが強いと話され、自分にとってワーク・ライフ・バランスのとれた生活とはどのようなものか、実生活に基づき紹介されました。
ワーク・ライフ・バランスを実践している岡家の一日は次のようなものです。家族は、妻、保育園児の3人の子どもさん(第2・第3子は双子)の5人。睡眠時間は4時間半で十分という岡さんは、夜中2時に起き朝まで誰にも邪魔されない時間を確保し、ネットサーフィンや本を読むなどして過ごします。5時から朝の用意を始め、洗濯、フロ掃除、朝食をつくり6時に家族そろって食事。7時に子どもさんを保育園に送って行く間に、妻は弁当作り・片づけ・身支度・夕食の仕込みを済ませ、それぞれの職場に出勤。
夜は、フレックスタイムで1時間早く仕事を終える妻が先に帰宅し、洗濯物をとりこみ、インターネットで注文した食材で夕食の準備。岡さんは定時に会社を出て保育園で子どもさんを迎えて6時に帰宅し、すぐに子どもさんと入浴。入れ替わりで入浴をする妻を待ち、みんな揃って夕食。その後子どもたちはTVをみたり、夫妻は好きなお酒を飲んだりして過ごし、8時に食器と洗濯物を片づける。9時には岡さんは子どもたちと一緒に就寝。妻はその後自分の好きなことをして過ごし11時に就寝するというのが、生活の基本だと紹介されました。岡さんは独身の時も、自分のことは自分でやっていた延長で、結婚後も役割分担はなく、二人で今日のタスクを消化するものと考え、やれなかった時にお互いを責めることもない、子どもたちも、キッチンとは父母の両方が立つところだと思っていると話されました。
お互いに我慢せず「やりたいことは、今やろう」という信条をもち、妻は現在パリに8日間旅行中ですが、「60歳で見る景色と38歳で見る景色は同じではないから」と賛成されたということでした。子どもさんに対しても人間としてしてはいけないことは叱るが、服を選ぶことなどはそれぞれ自分で決めさせていて、選択した結果を誰かのせいにすることもない様子。
転職や、失業中にわかった双子の妊娠に悩むこともあったそうですが、妻が働いていたので気持ちにゆとりがもてたこと、出産後は、夜の双子の世話を岡さんと義母が担い、妻の睡眠を確保させるなどして乗り切ったと話されました。
福岡が大好きで福岡で仕事をしたいという基準で就職を決めてきたが、職場の人間関係は、自身が上下のこだわりがないので困ったことはなく、後輩・部下には自分の生活を参考にして欲しいと思うと語りました。
ワーク・ライフ・バランスを実践されている岡さんの生き方に、男子学生は驚いた様子。一方、女子学生からは、どうしたら岡さんのような男性を見つけられるかとの質問がありました。回答に戸惑う岡さんの代わりに、「岡さんの生き方は、こうあるべきというものではなく、状況が変化したらそこでまた考えて行動されており、柔軟です。」「岡さんのような男性を見つけるには、この人!と思う人が見つかるまで、探すこと」と、この講座を企画された福岡大学の先生方が助言されていました。
タイトル | 「ワーク・ライフ・バランスについて考える」 アクロス福岡 セミナー室2 |
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開催日時 | 2013年11月14日(木) |