第3回の講義は、「ファシリテーション」について、九州大学大学院統合新領域学府客員准教授で、NPO法人日本ファシリテーション協会フェローを務める加留部貴行さんに講演いただきました。随所にグループワークを織り交ぜ、合意形成や問題解決をどのように図ったらよいのか、チーム力を引き出すファシリテーターの役割について学ぶ、体験型の講義となりました。
まず、塾生がこれまでに経験した会議を振り返り、SNSやITがこれほど普及したにもかかわらず、私たちがわざわざ集まる理由について考えました。その中で、自分は伝えたつもりでも、相手にきちんと伝わっていないことがわかるワークを行い、わざわざ集まって会議をするのは、確かめ合うためなのだということを塾生達は実感したようでした。
ファシリテーションとは「引き出す力」をさします。ファシリテーターは司会者でも先生でもなく、その場に参加している一人ひとりの主体性や当事者意識を育み、場を信じてゆだねつつ、優れた合意形成や問題解決を生み出す役割を担っていきます。成果だけではなく、アイデアを出し、振り返りながら進めていくプロセスをファシリテーターがうまく整理していくことで参加者が納得感を得られると、事例を用いて解説されました。では、実際に、どのように進めていけばよいのか、議論の前の準備段階で必要なことや、会議の場での「聴く」「話す」ポイント、話すだけではなく書き出すことで意見が出しやすくなることなど、基本的なスキルを伺いました。そして最後は、今回学んだファシリテーションを活かしながら、実際の議論を課題研究※のグループ別に行い、お互いの思い、考えを聞き出しながら、研究テーマを整理していきました。
加留部さんの話は軽快でわかりやすく、笑いの要素も散りばめながら、巧みにリードされました。3時間半という長丁場にもかかわらず、塾生の皆さんは興味深げに聞き入り、グループワークに楽しそうに取り組む様子が印象的でした。
塾生からは、「非常にテンポよく体を動かしながら学べました。“相手に伝えたつもり”から、“相手に伝わっているか確かめる”という手間をかけることが議論のうえで非常に重要だと学びました」という感想が聞かれました。
※課題研究:「ふくおか女性いきいき塾」は、課題研究、講義及びディスカッション、
交流会の3つを柱に構成されています。特に課題研究では、男女共同参画社会の実現に向け、小グループに分かれて課題を設定し、課題解決に向けた調査・研究を実施します。(アドバイザーがサポート・助言します)
タイトル | 講義③「ファシリテーション」 |
---|---|
開催日時 | 2013年7月7日(日) |