ふくおか女性いきいき塾、第2回のテーマは「政治参画」。苅田町長の吉廣啓子さんを講師に迎え、現役の女性町長ならではの思いや体験談を語っていただきました。吉廣さんは人柄がにじみ出る温かい笑顔で話を始められました。
最初の話題は、日本における女性首長の比率について。日本には現在930町村がある中で、女性の町村長はわずか6人。知事や市長に占める女性の割合よりも低いとのこと。同時に、地域活動やPTAは女性主体で動くのに、役職や名簿には男性の名前が並ぶ現状に疑問を呈されました。
次に、苅田町のことを紹介されました。人口は約3万6000人で苅田港があり、日産、トヨタ、セメント3社、九州電力、日立金属といった大企業が進出しています。そのため、福岡県で唯一、交付税をもらわずに自立して町を経営しているそうです。そのことによるメリットや苦労について、具体例をあげて説明されました。また、吉廣さんが町長になる前には、10年間ほど女性職員の採用が全くなかった時代もあるが、今では、男女の別なく採用し、女性職員の比率も上がり、2012年に初めて女性課長が誕生したとのことです。
「政治には何の関係もなかった」という吉廣さんがなぜ町長になったのか、周囲に請われて立候補した経緯についてもお話がありました。地元の高校で英語を教える傍ら、ボランティアの連絡協議会を立ち上げたこと、町にレストランをオープンして、年間1000万円を売り上げたことなど、何でも前向きに取り組む吉廣さんを象徴するようなエピソードを披露。頼まれたら引き受ける、引き受けたら出来る限りの努力をしてより良くしようとする姿が目に浮かぶようでした。
さらに、町長としてのやりがいや大変さについても率直に語られました。「町長の任務は精神的な負担が大きく過酷ですが、大変意義のある素晴らしい仕事。体を張って、笑顔で頑張らなければ。町長になりたい人は健康第一、そして実力をつけること」とアドバイス。塾生から積極的に飛び交う質問にも、丁寧に応じられた吉廣さん。「女性が政策決定過程で活躍する時に必要な心得は?」との問いには「バランス感覚を養うこと」「政治力より誠実力が大切」など具体的に示され、次世代リーダーを目指す塾生にとっても大変有意義な講義となったようです。
タイトル | 講義②「政治参画」 |
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開催日時 | 2013年7月7日(日) |