50代で一足遅れてフェミニズムを知った私が
ひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと
和田 靜香/著 左右社
老後の暮らしに不安を感じ、政治について考えようと思った著者。取材に向かったのは神奈川県大磯町。20年以上にわたりパリテ(男女同数議会)を実現している町議会やコミュニティから見えてきたのは、戦後から声を上げてきた女性たちをロールモデルとして、女性が自立し意見を言い、周りを変えていくという風土でした。世界に後れをとる日本のジェンダー・ギャップ解消に向けた、今後の道標となるようなエッセイです。
校閲至極
毎日新聞校閲センター/著 毎日新聞出版
校閲では、誤字・脱字など文章表記の確認や修正のほか、記述内容が正しいか、差別表現や不適切な表現がないかなどもチェックし訂正をしていきます。そこにはジェンダー表現に対しても慎重さが求められます。特定の価値観に基づいた表現は、人々に思い込みや偏見を刷り込んでしまいかねません。本書には、校閲の仕事の深い魅力のほか、あらゆる仕事、活動に携わる人が身に着けておきたい視点が詰まっています。
カタリン・カリコ mRNAワクチンを生んだ科学者
増田 ユリヤ/著 ポプラ社
世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症。女性研究者のカタリン・カリコさんが開発したmRNAワクチンが、多くの人の命を救いました。この本では、カタリンさんの幼少時代から、ノーベル生理学・医学賞を受賞するまでの半生が紹介されています。男性中心の研究者の世界で、40年以上にわたり研究を続け、注目されるようになった現在でも、地道に研究を続けている姿勢から、勇気とパワーがもらえます。