こんにちは。
黄梅が花盛りです。黄色い花は元気が出ますね。大輪のツバキも次々に花を咲かせています。
お変わりありませんか。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本の優勝は、日本中を感動の渦に巻き込みました。
多くのメディアが、さまざまな角度から、監督や選手、チームについて論じていますが、私は、アメリカとの決勝戦直前のロッカールームで、大谷翔平選手がチームメイトを前に言った「憧れるのをやめましょう」という言葉が心に残りました。
大谷選手はチームメートに、「目の前には、誰もが名前を知っている大リーガーのスター選手がいる。でも、憧れてしまっていては彼らを越えられない。彼らに勝てない。勝つためには、今日1日は、彼らへの憧れをすてましょう」と呼びかけました。
この大谷選手の言葉は、一歩を踏み出せないでいる女性にとっても、よいアドバイスになると思うのです。
私はこれまで、たくさんの女性の方々と意見交換をしたり活動を拝見したりしてきましたが、女性は、「私にリーダーがつとまるだろうか」、「ロールモデルのあの女性のようにはできない」と、スタートラインでの気後れ感がある人が多いのを感じています。
しかし、いろいろな経験をし、いろいろな学習をしてきた人は、経験や知恵という財産を持っているのです。
ですから、自分は財産をもった「人財」なのだと認識しなければならないと思います。
「あすばる」が行っている地域のリーダーを目指す女性応援研修や、いろいろな女性団体の会合で、私が何度もお話ししてきたことですが、女性はもっと自信を持たなければならないと思っています。
書物に書かれているリーダーやロールモデルへの憧れは大切ですが、憧れは気後れにつながります。
憧れという「見えないバリア」を取り除いて、自分は既に力を持っているという自信を持って、日頃の自分の力を出すことで、自分なりのリーダーへの道を進んでほしいと思います。(もちろん、財産はその財産価値を高めなければならないので、見聞を広め、謙虚に学び、パワーアップしていくことが必要なのは言うまでもありません。)
今から60年前、北九州市で公害が激しかった頃、婦人会の女性たちが「青空がほしい」という公害反対運動をし、それをきっかけに、市や企業が一緒になって公害克服に取り組んだという歴史があります。
そして、この婦人会の会長は、北九州市公害対策審議会の委員としても、北九州市の環境行政に関わりました。
その婦人会会長が、婦人会の公害反対運動と審議会での自身の活動について、次のような文章を残しています。(文章の流れを分かりやすくするために、一部修正しました)
婦人会の公害反対運動について、
「戸畑婦人会の強さは、イデオロギーとか実力行使で会社へ何かを要求しようとか闘争の手段にすることでなく、家庭婦人が、家族の健康のために立ち上った1人2人でない、団体が組織の総力をあげて仕事の分担をして、学習し、調査し、を繰返して、行政へ、企業へ、議員へと働きかけているその活動が、どこにもない[強み]である……少しずつの力で、たゆまなくやれれば大きな組織の底力となる」
公害対策審議会の活動について、
「みんな先生方は、立派な大学の先生や議員さん、会社工場の専門的知識を身につけられた方々ばかり……はじめは、皆さんが使われる専門用語すら分からずに、…工場見学に行っても、…「何というもんですか」「何するもんですか」と問いたいけれど、あまりにもはずかしい。……しかし、市民側にとって、どんな苦情が出ているか、苦情の処理はどう解決しているか、そのようなことになると、[私は]水をえた魚のように活き活きと目を開いて、聞きもらさじとメモをとっています。(中略)[私は]これからも、審議員皆さんの先生方の足手まといにならせていただこうと思っています。」
「専門家の審議会委員の足手まといにならせてもらう」・・・素晴らしい言葉だと思いませんか。
公害対策は技術的なことがすべてではなく、市民の生活がどのように改善されるかが重要です。専門家の足手まといになるという自信と覚悟に感動しました。
今、多くの審議会で、公募委員制度が取り入れられています。審議会は、いろいろな立場の人が多方面から意見を言ってこそよい結論が出るものです。委員は、堂々と自分の立場の意見を言うことが求められているのです。
多くの人が参画してこそ、社会はよくなると思います。
多くの女性の皆さんが、憧れることをやめて、気後れすることなく、自分の個性と能力を生かしてリーダーとして活躍していってほしいと思います。
最後は、マイ農園だよりです。
タラの芽を収穫しました。天ぷらで春の味を楽しみました。庭のサクランボは、花が咲いて散りました。これから実が大きくなって色づくのが楽しみです。ホームセンターで買った苗を植えたもので、農家のように上手にはできませんが、「佐藤錦」というブランドだけは自慢です。
ではまた。 (2023.03.23)