小郡市/サービス業(廃棄物処理)従業員総数38名(女性5名、男性33名)
2021年男性育児休業取得率100%(2名)平均取得日数32日
<インタビュー>代表取締役社長:野﨑千尋さん、育児休業取得者:森上元樹さん、保家宇宙さん
1966年に清掃業をスタートして、事業独立により1990年に設立された「共栄資源管理センター小郡」。小郡市内の一般家庭ごみの収集をメインに、ハウスクリーニングや水まわりメンテナンスなどの生活支援サービスも展開しています。
「弊社では長年にわたり、従業員が働きやすい環境を整えて従業員満足を高めることに力を入れてきました。従業員の満足度が上がれば、従業員の定着につながります。男性の育児休業促進についても、従業員満足度を上げるという観点から取り組んでいます」と代表取締役社長の野﨑さん。その言葉どおり、同社は企業としてあるべき姿を追求し、経済産業省「おもてなし経営企業選」50社への選出、「キャリア支援企業表彰」厚生労働大臣表彰、福岡県「働き方改革推進大会」雇用管理改善企業・職場表彰など、数々の受賞歴を誇ります。
従業員38人の約86%を男性が占める同社。15年前に新卒採用を始めて、その後に入社した従業員が結婚・子育て期に入ってきています。
「会社の中期アクションプランの中に育児休業制度の促進を掲げ、会社の発展のためには欠かせないものとして、従業員にも周知しています」と野﨑さん。3年前から育児休業を取得する人が毎年続き、2021年は2人が取得しました。
社内で3人目の育児休業取得者となった森上元樹さんは、第一子が誕生してすぐ、1か月余り休みを取りました。「私たちの世代は男性も育児をするのが当たり前という感覚があり、妻と話し合ってぜひ育児休業を取りたいと思いました。すでに取得した人の存在に勇気をもらい、上司に相談したところ、快諾いただいて安心しました」。
森上さんは通常業務に加えて、毎月発行する社内報「きょうえい通信」の担当も務めています。「休んでいる間に自分が携わっている仕事がうまく回るかなという不安はありましたが、収集業務は他の人たちがカバーしてくれて、社内報は補佐的な人に引き継いだことで、その方が成長する機会になったと思います」。復帰後は社長の提案により、社内報に自身の育児日記を連載しており、読んだ人からの感想が励みになっているそうです。
4人目の取得者となった保家宇宙さんは、妻の産後、約2か月半休みました。「上に子どもが2人いて、今回は双子だったので、さすがに妻だけに任せるわけにはいかずに、初めて育児休業を取りました。妻の負担を軽減することができましたし、これまで以上に子どもの成長に関わっているという感覚を持てるようになり、取得して良かったです」。
野﨑さんは年2~4回、全従業員と面談を行っています。その際、育児休業の相談を受けることもあるそうです。「ずいぶん前の話になりますが、私の妻は働いていて、双方の実家は県外だったので、夫婦で働きながら子育てをする大変さも楽しさも経験してきました。今は男女一緒に子育てをする時代。出産時、配偶者が里帰り出産から家に帰ってきたとき、そして配偶者が仕事に復帰するときが特に大変なので、いずれかのタイミングで育児休業を取得してはどうかとアドバイスしています」と、野﨑さん。
育児休業取得が当たり前の組織を目指して、育児休業を取っても他の従業員でカバーし合えるように人的余裕を持たせるなど、風土づくりも大切にしているそうです。「賞与の計算式に出勤率を加味するようになっていたため、育児休業による欠勤のカウント割合を下げるように制度を改善しました。これからも足かせになるところがあれば会社規定を見直していきます。どんな業種であれ、企業価値の根幹をなすのは、会社が持っているノウハウ、そして従業員が有する能力です。従業員の満足度が上がれば従業員の定着につながります。従業員に満足して働いてもらえるように、男女を問わず育児休業もしっかり応援していきます」と抱負を語ってくれました。
共栄資源管理センター小郡のホームページはこちらから(社内報「きょうえい通信」も掲載)