こんにちは。
ハナミズキが、赤く色づいた葉を落とし、冬支度を始めました。つわぶきが、そこここに黄色い花を咲かせています。お変わりありませんか。
「あすばる男女共同参画フォーラム」まであとわずか、あすばるでは最終準備を進めています。
今年の基調講演の講師は、内閣府男女共同参画局長の林伴子さんです。
林さんは、昨年8月に男女共同参画局長に就任され、わが国の男女共同参画行政を力強く牽引しています。
そこで今回のコラムでは、「内閣府男女共同参画局」という組織が、国政の中でどれくらい重要な位置にあるのかについてお話ししたいと思います。
内閣府男女共同参画局が設置されたのは、2001年1月の中央省庁再編が行われたときです。
この省庁再編では、それまで128あった局が96に削減されたのですが、1つだけ局が新設されました。それが、「内閣府男女共同参画局」です。前は「総理府男女共同参画室」で、「室」から「局」に格上げされたのでした。
また、「男女共同参画審議会」も、内閣府に置かれる「重要政策に関する会議」の1つとして位置づけられ、「男女共同参画会議」となりました。
今日は、このときの経緯を振り返ってみましょう。
1995年に開催された第4回世界女性会議(北京会議)の後、日本のジェンダー平等/男女共同参画推進の機運は大変盛り上がりました。一方で、この頃に、中央省庁再編などの行政改革の議論も活発になりました。1996年11月に「行政改革会議」が設置され、肥大化し硬直化した政府組織を改革し、重要な国家機能を有効に遂行するにふさわしいものとするための検討が行われました。
行政改革会議が1997年12月に取りまとめた最終報告に基づいて、1998年6月に「中央省庁等改革基本法」が制定されました。その改革のポイントは、内閣機能の強化と、国の行政組織を再編成し、業務を簡素化効率化することでした。
内閣機能の強化を図るために、新たに内閣府が創設されました。内閣府は他の省よりも格上の扱いで、国政の重要政策の基本方針を立案したり、複数の省にまたがる政策の調整を行うことを任務とするものです。
そして、内閣府には、重要政策を企画立案し、総合調整を図るための協議体として、「重要政策に関する会議」が置かれることとなり、「経済財政諮問会議」、「中央防災会議」、「総合科学技術会議」とともに、それまでの「男女共同参画審議会」が発展的に移行する形で、「男女共同参画会議」も置かれることになりました。(現在は、「国家戦略特別区域諮問会議」が加わり、総合科学技術会議が「総合科学技術・イノベーション会議」に変更されています。)
つまり、男女共同参画は、経済財政、防災や科学技術といった国の根幹にかかわる課題と同様に、わが国の重要課題であると位置づけられ、内閣府の4大会議に男女共同参画会議が入ったのです。
その後、新たな府省の局数を決定する際に、総理枠が1つ設けられ、男女共同参画の重要性を鑑み、その総理枠を使って、内閣府に男女共同参画局を置くということが、当時の小渕恵三首相によって決定されました。
ところで、行政改革会議で、内閣府に男女共同参画会議を置くということを決定したのには、当時上智大学教授だった猪口邦子さんが委員として参加しており、女性行政組織の強化をプッシュしたことと、行政改革会議の会長の橋本龍太郎首相が猪口さんを強力にバックアップしたことが大きな力となりました。
また、男女共同参画局の新設決定時は、橋本内閣から小渕内閣にかわっていましたが、小渕内閣の内閣官房長官であった野中広務さんが、女性問題に熱心で、小渕恵三首相に男女共同参画局の新設を進言したこと、小渕首相もリベラルで男女共同参画に理解があったことからこの提案を了承したとされています。
女性が意思決定の場に参画していることと、男性リーダーの理解と支援が、男女共同参画を進める上でどんなに重要であるかのエピソードです。
ちなみに、初代の男女共同参画局長は、坂東真理子さん(現在昭和女子大学理事長・総長)で、第2代局長が、日本社会事業大学理事長の名取はにわさんです。名取さんには、2018年の「あすばる男女共同参画フォーラム」で、ご自身が総理府在職中に制定を担当した男女共同参画社会基本法について講演をしていただきました。
今年の「あすばる男女共同参画フォーラム2021」の基調講演では、林伴子男女共同参画局長に、「もっと前に、もっと高く、もっと優しく」をテーマに、わが国の男女共同参画の現状や、昨年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画を実施していくための政府の取組の最新状況などをお話しいただきます。
多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
おしまいは、マイ農園だよりです。
柚子が黄色くなりました。今年は少し小ぶりです。ビワに蕾がつきました。毎年放置してきましたが、今の時期に摘蕾しないといけないようなので、試しに蕾の房を少し間引いてみました。来年大きな実ができるのを楽しみにしています。
小春日和、お元気にお過ごしください。
ではまた。 (2021. 11.16)