ヒガンザクラが咲き始めました。黄色はトサミズキです。ウグイスも鳴き始めました。毎年のことながら、まだ上手には鳴けず、鳴き方練習中のようです。
2月中旬、築上町で行われたママライター養成講座の閉講式に出席しました。この講座は、築上町が国の地域女性活躍推進交付金を受けて行ったもので、昨年9月から9回にわたって開講され、築上町だけでなく周辺の市町から集まった受講生が、取材の仕方や記事の書き方、写真の撮り方など、ライターとして必要なノウハウを学びました。
講座を企画するきっかけとなったのは、築上町が平成30年(2018年)に行った子育て中の女性の座談会で、子育て中のため時間に制約はあるけれども働きたいと思っている女性が多数存在することが分かったからです。
そこで、地元で、子どもとの暮らしを大切にしながら働く選択肢の1つとして、自分で時間的裁量ができるライターという仕事に着目したものです。
築上町が所在する京築地域には、この地域の広報物やミニコミ誌を作成する際に、取材や原稿執筆ができるライターがいないため、編集者が困っているという現実もありました。
そのため、暮らしのプロであり、消費者のプロであり、子育てのプロである「ママ」の目線で記事を書けば、受け取る側が求める情報を発信することができるのではないか、「子育て中のママ」はむしろ付加価値となるのではないか、と考えたのです。
また、ライターとなった女性が、取材を通して地域とのかかわりを深めていくことで、世代間の交流も増え、地域への愛着や高齢者を見守るまなざしを養うことにもなります。
実は、このママライター養成講座の原型は、糸島市が行った「ママライター育成講座」にあります。糸島市では、平成29年(2017年)から糸島市在住の子育て中の女性を対象に「ママライター育成講座」を開催してライターを育成しており、この講座の企画・運営を行ってきたのが「ママトコラボ」という団体です。
ママトコラボは、糸島市や企業などから受注した冊子やホームページなどの記事の執筆を、育成講座を修了したママライターに分担発注し、仕事の進行管理やそれぞれのライターが書いた原稿の品質のチェックなどをしています。
築上町の講座でも、ママトコラボが、講座の企画や講演会の講師などの協力を行いました。ママトコラボについては、こちらをご覧ください。
皆さんは、「子育て中のママ」とはどういう女性をイメージしますか。
また、どのような支援が必要だと思いますか。
企業で働いている女性の場合、妊娠出産で退職しなくてよいよう職場環境を整え、育児休業を取得して、職場復帰をスムーズにできるようにする、といった支援が考えられるでしょう。
しかし、職業をもっていない女性については、育児支援が中心となり、就業に関しては育児が一段落してから、というように、単線での見方しかしていないのではないかと思います。
ママライター講座の受講生たちを見て、「子育て」か「仕事」かの二者択一ではなく、どちらもしたいと思っている人が多い、ということを踏まえた支援が必要だと思いました。
つまり、職業を持った女性たちが、ワークライフバランスの支援を必要としているように、子育て中の「専業主婦」も、ライフとバランスをとりながらの「ワーク」の支援を必要としていると感じました。
今年度の大木町の元気塾でも、子育て中の若い女性受講生たちがマルシェを開き、自分たちがつくったものが商品になることを体験したことで、日ごろから自分たちが求めていたのは、子育てしながらも社会の中で自己実現をしたいということだったと分かった、という感想を聞きました。
糸島市、築上町、大木町で出会った子育て中のママの思いは、子どもとの生活を大切にしながら、同時に「今」仕事をしたい、自己実現もしたい、ということでした。
「専業主婦」の女性たちを「専業」主婦と、ひとくくりにすることはできないと思いました。
終わりは、マイ農園の話題です。
台所の裏にある、金柑子(キンコウジ)というミカンの木に、取り忘れた実をヒヨドリがつつきに来ていました。よほどおいしかったのか、頭を突っ込んで一心不乱に食べていました。おかげでこんな写真がとれました。ヒヨドリがちょっと「席をはずした」すきには、メジロもきました。
ではまた。 (2020.03.19)