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【センター長コラム】 ジェンダーギャップ指数2019  (2019年12月23日配信)

ご無沙汰してしまいました。お変わりありませんか。

11月23日に開催した「あすばるフォーラム2019」には、たくさんの方にお越しいただきました。また、事業企画や運営にも多くの皆さまにご協力をいただきました。心からお礼申し上げます。

あすばるフォーラムが終わって間もなく静岡県浜松市で行われた、全国女性会館協議会の全国大会で、働く場での女性活躍を目指してあすばるが昨年から実施している「あすばるキャリアアップ・カレッジ」が、事業企画大賞の奨励賞をいただきました。この事業にご協力くださっているすべての皆さんと一緒にいただいた賞です。ありがとうございます。

 

さて、あすばるフォーラムの頃に咲いていた皇帝ダリアは、もう散ってしまいましたが、写真は残しました。今は、さざんかや椿が咲いています。

 
 

今回は、先週発表された今年の「ジェンダーギャップ指数」について、お話ししたいと思います。

 

ジェンダーギャップ指数は、政治家や経済界のトップリーダー、学者たちが一堂に会して世界の課題を討議する「ダボス会議」を主催している国際機関「世界経済フォーラム」が、世界各国の男女平等の度合いを算出して、ランキングとともに発表しているもの(「グローバル ジェンダーギャップ レポート」)で、2006年からレポートの発表が行われ、今年で14回目になります。

 

今年の日本のジェンダーギャップ指数は0.652、つまり、男女平等度は65.2%で、世界153か国中121位という結果になりました。121位というのは、これまでのランキングの中で最低の順位であり、非常に憂慮すべきことですが、なぜこのような結果になったのかを含め、今年のジェンダーギャップレポートを少し詳しく見ていきたいと思います。

 

なお、昨年12月の同時期に、センター長コラムで「ジェンダーギャップ指数2018」と題したコラムを書いていますので、合わせて参照いただければ幸いです。

 

まず、ジェンダーギャップ指数とはどういうものか簡単にご説明します。

 

ジェンダーギャップ指数は、「経済参画」、「教育の到達度」、「健康と生存率」、「政治参画」の4つの分野で、男女平等の度合いを指数化した(女性÷男性)もので、4つの分野を総合した数値で、各国の順位が決定されます(数値が1に近いほど平等で、遠いほど男女格差が大きいと評価されます)。

 

平等度合いの算出のために、4つの分野に、2~5のサブ指標が設定されており、ユネスコやOECDなどの統計をもとに平等度合いが計算されています。

 

サブ指標は、経済参画は、「労働参加率の男女比」、「同一の労働における賃金の男女格差」、「年収格差」、「役員・管理職の男女比」、「専門職・技術職の男女比」の5つ、教育の到達度は、「識字率の男女格差」、「初等教育就学率の男女比」、「中等教育就学率の男女比」、「高等教育就学率の男女比」の4つ、健康と生存率は、「出生児の男女比」、「健康寿命の男女比」の2つ、政治参画は、「国会議員の男女比」、「閣僚の男女比」、「過去50年間の国家元首の在任年数の男女比」の3つです。

 

14のサブ指標のうち、最低12の指標で統計のある国を対象にしており、今年は、昨年の149か国から4か国増え、153か国が対象となりました。

 

今年のジェンダーギャップ指数ランキングのトップ10は、

1位 アイスランド(0.877)、2位 ノルウェー(0.842)、

3位 フィンランド(0.832)、4位 スウェーデン(0.820)、

5位 ニカラグア(0.804)、   6位 ニュージーランド(0.799)、

7位 アイルランド(0.798)、8位 スペイン(0.795)、

9位 ルワンダ(0.791)、 10位 ドイツ(0.787)  です。

 

アイスランドは、昨年に引き続きの1位で、男女平等度合いが87.7%、2位のノルウェーを3.5ポイント(%)引き離しています。

 

世界全体を見ると、男女平等の指数は0.686で、昨年よりわずかに向上しているとのことですが、レポートは、このペースでいくと、完全に男女平等が達成されるまで、99.5年かかるだろうと予測しています。

 

わが国のジェンダーギャップ指数を詳細に見ると、次のとおりです。

指数は、昨年の0.662から今年の0.652と、1%数値が下がり、ランキングも、昨年の110位から、今年121位と、11位も順位を下げています。

 

世界全体の昨年と今年の平等度を比較すると、昨年の調査対象だった149か国のうち、101か国で数値が上がっています。ほかの国が向上し、日本は下がっているので、日本の順位は著しく後退しているのです。

 

          日本のジェンダーギャップ指数(2019年、2018年)

 

レポートには、日本の男女の格差は、先進国の中で最も大きいと指摘されています。

ジェンダーギャップ指数の算出に使った統計データを見てみましょう。参考のために、アイスランドのデータもつけました。

 

      日本およびアイスランドのジェンダーギャップ指数サブ指標の数値(1999年)

 

また、レポートは、日本に関して、経済参画分野については、わずかに前進があるものの、115位と低い水準である(役員・管理職の女性の割合は15%に過ぎず、女性の賃金は男性の約半分)と言い、経済分野での男女格差の改善分は、政治分野の男女格差の拡大と相殺されてしまっていると述べています。

 

さらに、日本の国会議員の女性の割合は10%で、これは、世界135位と、最も女性割合の低い国の1つであり、先進国平均から20ポイント(%)低い、大臣も、女性は18人中1人(統計当時1人でした)と、先進国平均に比べ26ポイント(%)低いと指摘しています。

アイスランドを見ると、政治参画の分野で、国会議員に占める女性の割合が38%、大臣の女性割合が40%と高く、経済参画分野で、役員・管理職に占める女性の割合が41%です。国を動かす政治や経済の分野で女性がリーダーとして活躍していることが分かります。

 

確かに、世界中で、政治分野の男女格差は、4つの指標の中で最も大きく、レポートによれば、世界全体に35,127議席がある中で、女性議員はわずか25%、女性大臣は3,343人の大臣中21%しかいないとしていますが、その世界平均よりも、日本の政治分野における女性参画は、大きく遅れているのです。

 

今後、改正女性活躍推進法が施行され、経済分野における男女格差も改善されていくと思います。また、政治分野における候補者均等法制定から3年目を迎え、各政党とも、女性候補者の育成・擁立に力を入れていくと思いますが、日本のペースに比べ外国のペースは非常に早いことを強く認識しなければならないと思いました。

 

最後に、マイ農園の収穫物です。

昨日は冬至。ゆず湯に入りました。プランターのイチゴが1株だけ実をつけています。1個ですが、クリスマス・ケーキに間に合いました。

先日、友人からもらった花梨でジャムとはちみつ漬けをつくりました。ジャムづくりの中で、最も感動するのが、花梨ジャムです。細かく切った花梨の実を煮出した液に砂糖を加えて煮詰めていくと、茶色からきれいな赤い色に変わっていきます。透き通った茜色のジャムは、幸せを運んでくるような気がします。

では、また。

                                                                                                               (2019.12.23)

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