中島 隆
『ろう者の祈り 心の声に気づいてほしい』
朝日新聞出版
日本手話は日本語とは文法が違う一つの言語ですが、その事実は社会的に認識されているとは言えません。手話を第一言語として育ったろう者の中には日本語を書くことが不得手な人も多く、周りとのコミュニケーションが取りづらいことが、職場での差別や、ろう者の積極的な社会参画を阻む一因となっています。
当事者や支援者への丁寧な取材によって現状を伝える一冊です。
R・J・パラシオ/著、中井はるの/訳
『ワンダー』
ほるぷ出版
顔に先天的な障害をもつ主人公のオーガスト。
「人と見た目がちがう」という大きなハンディを負いながら、新しい学校で周囲との関係を築き、自分の個性を受け入れていく彼の勇気は感動的なものですが、一方で私たちの誰もが似たような経験をしたことがあるからこそ、心が動かされるのではないでしょうか。
オーガストの存在によって成長していく同級生たちにも注目です。