こんにちは、4月1日付でセンター長に就任した神﨑智子です。
このコーナーでは、初めて皆さんにお目にかかります。
どうぞよろしくお願いいたします。
ブログ1回目は、最近の動きの中から1つのトピックを。
「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が、5月23日に公布、施行されました。この法は、国や地方自治体の政策の立案や決定に、男女が対等に、共同で参画する機会が確保され、多様な意見が的確に反映されるようにすることを目的とするもので、政党に、男女の候補者の数をできる限り均等とすることを求め、また、国や地方自治体に対しては、実態調査及び情報の収集、啓発活動、環境整備、人材の育成等の取り組みを求めています。ただ、これらは「努力義務」で、罰則等の規定はありません。
「努力義務」といえば、1985年の「男女雇用機会均等法」の制定を思い出します。法案は、定年や解雇に関して女性差別を禁止したものの、募集・採用、配置・昇進に関しては事業主の「努力義務」とされていたため、働く女性たちは反発、法案粉砕や、法案を担当する労働省の赤松良子婦人局長の辞任を求めるデモも行われました。結局、一歩を踏み出さねばという女性の思いは一致しており、不十分を承知で、法案を審議する婦人少年審議会の労働側委員が折れて、均等法が成立、女子差別撤廃条約批准へとつながっていきました。
その後、均等法は1997年に改正され、努力義務は禁止規定へ、さらに2006年の改正で、女性だけでなく男女双方に対する差別の禁止になりました。また、2016年の改正では、セクシュアルハラスメント防止に加え、マタニティハラスメント防止も事業主に義務づけられました(現行法の詳細は、厚生労働省HPでご確認ください)。
赤松良子さんは、政治分野における男女共同参画推進法の制定を求めてきた市民団体の代表もされており、私は、改めて赤松さん著『均等法をつくる』(勁草書房、2003年)を読み直しました。はじめの一歩はいかに大変か、またいかに大切かを改めて感じました。政治分野における男女共同参画推進法も、大きな一歩になることと思います。
男女雇用機会均等法制定のドラマは、NHKの人気番組「プロジェクトX」でもとりあげられ、多くの反響を呼びました。プロジェクトXのエンディングテーマ曲である中島みゆきさんの「ヘッドライト・テールライト」には、遠い先にある目的地・未来を目指して旅を続ける人々の姿がイメージされています。
あすばるも、男女共同参画社会実現への旅を続ける一員として、さまざまな課題に取り組んでいきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(2018.06.13)