【ロールモデル】
ロールモデルとは
福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社 営業本部営業4部次長
プロ野球球団「福岡ソフトバンクホークス」の事業部門と施設部門を担当する会社で、管理職として活躍する淵郁子さん。持ち前の行動力と柔軟な発想でこれまで多くの企画を成功させてきた。「球場という空間を使って、どう楽しんでいただけるかを常に考えています」と目を輝かせながら語る彼女は、20歳で結婚をして、仕事を再開するまでの15年間、専業主婦。当時は派遣会社の登録方法も知らず、ましてや野球に関しての知識も何もなく、“恥ずかしいくらい分からないことばかり”だったという。
専業主婦として三人の子育てと家事の毎日。その間、PTA活動やアジアの子どもたちのホームステイ受入先としてボランティア活動に6年間励んだ。「これらの活動は社会に出るプレ活動としてはすごくいいもの。大変なこともあったけど、それが、とてもいい経験になりました」と振り返る。
離婚を機に、福岡ドーム(当時)で派遣社員として接客の仕事に就いた。縁あって2007年、福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社に入社。意を決して飛び込んだものの、思うように契約がとれず、苦闘する日々が続いた。そんな時、上司から「もうちょっと楽に考えたらいいよ」と言われ、肩の力が抜けたという。
「ソフトバンクといえば、淵」と言われたいと思い、一人でも多くの人に名前を覚えてもらおうと、ありとあらゆる会合に出席した。同時に企画力や知識をつけるために、コツコツと努力を重ねてきた。そうした姿勢が評価され、2年後、課長に抜擢された。「認めてくれた上司がいたからこそ。チャンスを与えてもらえたことに感謝しています。明確な目的を持って仕事をするのは大切だなと思いました」。
管理職になった当初は不安もあったが、今では「男女の長所をうまく活用し、補い合いながら組織として結果につなげていきたい。お互い刺激になり、チームワークも抜群です」と笑顔で語る。テストで悪い点をとった子どもに「次に頑張ればいいじゃん」と言ったように、部下には「失敗してもOK。結果が出ないのはプロセスが悪く、私にも責任がある。次に結果をだせばいい」と伝える。また、部下の成果を上層部に報告。社内で会った時には、直接褒めてあげてほしいとお願いするなど、職場全体のモチベーションを上げることも常に心がけている。
2013年9月には、「超!ときめき大人女子ナイター」を企画。ナイター観戦に化粧品の試供品や人気ヘアサロンによるスタイリング体験をつけたチケットを販売、普段野球場に足を運ばない客を集め、大変好評だった。
仕事に対する思いをたずねると、「絶対に中途半端にしたくないと思っています。一度決めたら、とことんやりぬく覚悟が必要。だからといって、ギスギスはしたくないですね。柔らかくしなやかな女性ならではの感性は忘れたくないですね」。さらに言葉をつなぐ。「私と同じように子どもを抱えて離婚した人もたくさんいると思いますが、私自身がそうであったように、頑張れば何とかなると希望を持って欲しいです」。夢は、福岡の女性がもっと輝いて、さらに福岡を盛り上げていくことと語る。それに向けてのさまざまな企画も進行中だという。球場に訪れる多くの人を笑顔にさせるそのパワーと発信力で、これからも多くの人に夢や喜びを与えていくだろう。
(2013年11月取材)
趣味は、最近始めたというゴルフ。この3ヶ月で20ラウンドほど回った。「のめり込むと一直線のタイプで、現在はプロに教えてもらっています。歩くのは気持ちがいいですし、かわいいウェアもたくさんあって、それも楽しみの一つです」。何も考えずにひたすら集中できるのが気分転換になるという。
長崎市出身。専業主婦として子育てのかたわら、PTA活動やボランティア活動に従事。離婚を機に派遣社員として福岡ドーム(当時)のスーパーボックスで接客を担当。そこでの働きぶりを目にした今の上司から声をかけられ、2007年にソフトバンクホークスマーケティングに入社。現在営業本部 営業4部の次長として、法人営業を担当している。
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