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葉 梨花(ようりか)さん    (2012年10月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

株式会社グランドビジョン 事業プロデュース局 戦略室 PRプランナー         (取材時:イケア・ジャパン株式会社 IKEA福岡新宮 広報)

自分を枠にはめず、可能性を広げていきたい

 スウェーデン発祥のインテリアショップ「IKEA」。優れたデザインと機能性、低価格で人気を博し、世界40か国ほどに展開している。2012年4月に誕生した「IKEA福岡新宮」もオープン前から大きな話題を呼び、テレビや雑誌など様々なメディアをにぎわせてきた。会社の顔として、取材対応や情報発信を一手に引き受けているのが、広報の葉梨花さんだ。

留学を機に中国でキャリアをスタート

 ロングヘアーをキリリとまとめ、鮮やかなユニフォーム姿で現れた葉さん。ネームプレートを飾る日本・英国・中国の国旗は、3か国語話せることを意味する。
中国人の父と日本人の母のもとに生まれたが、祖父の代から日本に住んでおり、中国語に接する機会はなかった。高校まで福岡の女子校に通い、ファッションやインテリアを学ぶため、武蔵野美術大学へ。将来に向けて、語学を身につけたいと思い立った。「英語はすでに話せる人が多い。これからは中国だと盛んにいわれはじめた時期で、中国は私のルーツでもある」と1年間、北京へ留学を果たす。卒業後は人の紹介や縁がつながり、そのまま中国で6年ほど働いた。上海にあるホテルのマネジメント研修生にはじまり、アメリカ人が経営するクリニックでマーケティングや翻訳、デザインなどを担当。有名な国際経営コンサルタントが上海オフィスを立ち上げる際、秘書をしたこともある。さまざまな仕事を経験することで、自分の能力を高めていきたいという思いがあった。
 キャリアを積み上げる一方、政府プログラムで留学に来ていたザンビア人と結婚。中国で1男1女をもうけ、産後3か月で職場に復帰したというから、何ともパワフルだ。「お手伝いさんを雇い、子どもが小さいうちはシッターさんもお願いしました。中国ではそれが普通なんですよ」とさらりという。

千葉での1か月研修に子どもを同行

 2005年に福岡へ戻り、仕事をはじめた。外資系のビジネススタイルに慣れていた葉さんは、日本企業での仕事のやり方の違いに戸惑いながらも、不動産会社、ホテルの広報や営業、ウエディングプランナーなど、いくつかの仕事に就き、熱心に取り組んできた。次男の出産を期に、ホテル勤務は育児との両立が難しいと感じ、転職を考えるようになった。
 2011年の夏、葉さんに願ってもないチャンスが巡ってくる。「IKEA福岡新宮」が広報を募集していると知ったのだ。広報の仕事に面白さを感じ、またやりたいと思っていたため、「『私のためにきた!』と心が躍りましたね。上海にいたとき、新しいオフィスをIKEAの家具で作り上げたことがあり、IKEAの素晴らしさは実感していましたから」。見事に採用が決まり、11年9月に入社。千葉にある「IKEA船橋」で1か月の研修を受けるときは、小学生の子ども2人を実家に預け、3歳の次男は連れて行った。「覚えることが多くて大変でしたが、刺激的な毎日。子どもは社内の託児所に預け、親子で貴重な経験をさせてもらいました」と声を弾ませる。

どんな環境にあっても自分の感覚を信じる

 「IKEA福岡新宮」では400人を超えるスタッフのうち、約5%が外国人。役職に関係なく、下の名前やニックネームで呼び合い、パートタイマーにも正社員や上級職への道が拓かれている。4月のオープン前後は注目度が高く、取材が殺到した。これからはいかに話題づくりをするか、人気を定着させていくか、広報として腕の見せどころでもある。「この仕事は、私が今までやってきたことの集大成。これまで経験してきたことが活かせると思っています。やればやるだけ成果となり、評価される環境にやりがいを感じています」。
 葉さんのモットーは「自分を枠にはめない」こと。海外へ出たことで「常識って何?」と疑問を抱くようになった。「自分の知っている範囲が全てではなく、別のところに行けば、全く違う考え方もある。正解なんて、ないのかもしれません。だからこそ、自分がどう感じるかが大切。自分らしく楽しくいられる環境でこそ、人は真の力を発揮できると思うんです。何事もやってみないとわからないし、可能性を広げていきたいですね」。葉さんと話していると、「個」としての確かな強さを感じるとともに、こちらの心まで解き放たれるような気がする。これからの夢を問うと「海外で暮らしたい。子どもたちにも広い世界を見せてあげたいから」と即答。国境も人種も常識の壁さえも軽やかに飛び越えて、葉さんのチャレンジはまだまだ続く。

                                                                                                      (2012年10月取材)

コラム

わたしの大切な時間『おいしい時間』

 「今、部屋の改造を計画しているんです」と楽しそうに話す葉さん。もともと空間演出を学んでいたこともあり、IKEAの店内を見ながら、自宅のインテリアについてあれこれ考えるのが好きだという。特にお気に入りはゼブラ柄で、風水を取り入れることも。まさに仕事と趣味を兼ねているようだ。

プロフィール

1976年に東京で生まれ、2歳のとき福岡へ。武蔵野美術大学短期大学部空間演出デザイン学科を卒業後、北京语言大学へ留学。上海のホテルマネージメントトレーニー、クリニック勤務、国際経営コンサルタントの事務所立ち上げ秘書などを経て、2005年に福岡へ戻る。いくつかの職場を経て、ホテルでウエディングプランナーや広報、営業を経験。2011年9月から2013年8月までイケア・ジャパン株式会社。2013年9月より株式会社グランドビジョン 事業プロデュース局 戦略室 PRプランナー。

 

 

 

 


 

 

 

 

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