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講師情報
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新日本総合鑑定株式会社 不動産鑑定士
石田さんは不動産鑑定士として活躍しています。不動産の専門家として、高度で幅広い知識と経験が求められます。資格試験には三次試験まであり、受験には、二年以上の実務経験が必要なため、取得まで時間もかかり、難易度も高い資格です。では、なぜその資格を取得しようと思ったのか。それは自身の離婚がきっかけでした。離婚後、友人の紹介で現在の会社に就職することになりました。初めは事務として入るつもりでしたが、面接の際に社長から「子どもを育てていくなら資格を取ったほうがいい。まずは試験を受けてみたら」と言われ、会社に勤めながら不動産鑑定士を目指し始めたそうです。
「思い立ったときが吉日。私は遅いとか早いとか関係ないと思います」。 年を重ねるにつれて、次第に記憶力が低下していきます。今から勉強なんてできるのだろうか、きっと覚えきれやしないと夢を諦めている人が大勢いるのではないでしょうか。
しかし石田さんは決して弱気になりませんでした。「遅すぎる」、そんな言葉は石田さんにはなかったのです。
また石田さんには子育てというもう一つの大きな仕事がありました。ただでさえ不動産鑑定士の資格取得が厳しい中、子育てをしながら、さまざまな勉強を行うのはかなり大変なことです。それでも資格を取ろうと決意した前向きさと行動力。これらが今の成功に結びついたに違いありません。
不動産鑑定士の仕事の魅力は何なのでしょう。似たような物件でも全く同じ評価にならないところが面白いと、言います。評価をするにあたり、その不動産に関して様々な方面から情報を集め、それをまとめて初めて評価をします。現地調査に出向いたり、市役所に行ってその土地の規制を調べたり、新聞記者のようにとにかく走り回って情報収集します。
一つの物件の評価をするにあたり、毎回たくさんの情報収集を行うことで、新たな知識が増え、発見の連続のようです。
福岡県には213人の不動産鑑定士がいますが、女性はたった8人しかいません。そんな男性社会の中で初めは、女性だからと言って無視されたり、何となく軽視されているなと感じたりすることもあったそうです。男性社会の中で上手に生き抜いていくコツは、『発言しなければいけないことは、きちんと言う』ことだと言います。
女性が圧倒的に少ないため、業界の中でも、依頼者の方々にも早く名前と顔を覚えてもらえるそうです。女性だからというだけで覚えてもらえる。女性だからといって不利なことばかりではないそうです。
私たち女性の平均寿命は、今や80歳を超えています。「人生80年」そう考えると、たとえ50才で新しいことを始めたとしても、あと30年も時間があります。上達のスピードは確かに若いときより遅いかもしれません。でもコツコツと積み上げていけばいいのではないでしょうか。やり直しも若いときに比べれば効かないかもしれません。でも挑戦してみませんか。
石田さんは資格試験にストレートには合格できなかったそうです。しかし自分の目標の達成を強く信じ、 諦めなかった。何に挑戦するにしても「諦めないこと」が何よりの成功への近道なのかもしれません。
(2005年12月取材)
不動産鑑定士という男性が多い職場で(社)福岡県不動産鑑定士協会の役割や県の委員会を務める。
主な委員会活動として、福岡県地価調査専門委員会、福岡県固定資産評価審査会委員、福岡市固定資産評価審査委員を兼任。
キーワード
【あ】 【働く・キャリアアップ】