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藤田 宜子(ふじたのりこ)さん  (2011年3月取材)

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株式会社岩田屋三越 岩田屋本店次長 (取材時:総合企画部 経営管理・CC担当長)

○○したいと思っていることは絶対ではない

 

自問した就職活動

 地方の百貨店として最大の売り上げを誇る「岩田屋三越」に勤務している藤田さんだが、元々流通業を志望していたわけではなかった。しかし、就職活動を行っていた当時、大卒女子を募集している企業は少なく、志望していた会社の説明会には女子学生が殺到していた。
 「“ここしかない”と選択肢を絞り、思考を収斂させることから一歩引いて、自分は何がしたいのか改めて自問した。すると、女性も多く働いていて、かつ、長く働ける流通業も選択肢のひとつと考えるようになった」と言う藤田さんは、岩田屋の説明会に参加した。そこでは女性の人事部長が会場の中央に座っていた。「女性にもポジションを与えてくれる会社だ」と思ったことを鮮明に覚えているという。
 「『鳥の目』『虫の目』『魚の目』、それぞれを意識することで、物事を多面的に捉えられるようになる。そうすれば、新たな道が広がると共に、やりたいことの本質が見えるようになる」と語る藤田さんは、1983(昭和58)年、岩田屋に入社した。

「すごい」と言われ続けた企業派遣

 入社当初は売り場に配属されたが、2年目からは本部へ。5年目には営業計画のスタッフとなった。「バックボーンがない中、全館を動かす計画を立案するという大役に不安はあったものの、百貨店の顧客の大半が女性であるため、いち消費者の立場で自分の気持ちやニーズを端緒にできることは強みと思った」と語る。
 しかし、ポジションが与えられ責任が増すにつれ、「感性に頼った現状では早晩限界がくる。その前にマーケティングや経営、経済の勉強をせねば」と感じた藤田さんは、1990年(平成2)年、当時岩田屋にあった企業派遣制度を利用し、慶応義塾大学院へ進学した。
慶応の大学院へ企業派遣されていた人は、当時学年の半分ほどいたにもかかわらず、女性では当然藤田さんひとり。過去から数えても2人目という少なさ。しかも福岡からの企業派遣ということで、多くの人から「すごい」と言われ続けた。
 「一般社会ではまだまだ“女性に投資する”という考え方が熟していないことに初めて気が付いた。“男女の区別なくやらせてみよう”という会社の理解に改めて感謝した」と言う。

厳しいときこそ逃げずに

 大学院から戻った藤田さんは、これまで以上に様々な部署のリーダーとして働くことになった。
 「厳しい状況下の中では、泣き言を言いたかった時期もあった」という藤田さんに、仕事を辞めようとは思わなかったのか尋ねた。「何度も辞めたいと思ったが、この厳しさを乗り越えようと部下に指示をしている立場で敵前逃亡したくなかった。辞めるのであれば、問題を解決した後にしなければ女がすたると思って踏みとどまった」と答えてくれた。
 また、藤田さんは、会社だけでなく、社外の活動も重要だと語る。その理由を「職場と言う限られた世界だけで過ごしていると、どうしても視野が狭まってくる。外からの刺激を受けることで、多様な見方、考え方に気づかされる。最終的には人間力であり、その人間力を磨くのも人との交わりの中でしか醸成できない。大学院に行った経験も、勉強できたこと以上に、同じ時間を過ごした仲間が一番の財産だと思う」と述べる。
                                   (2011年3月取材)

コラム

「私は、あなたの、おかげです。」「I was born.」

 前者は1986(昭和61)年、岩田屋の創立50周年を記念した企業キャンペーンのコピー、後者は吉野弘氏の詩のタイトルである。「どちらにも通じるのは、自分の力と思っていても、気が付いていないだけで、誰かのおかげで今があるということ。生きていること、生かされていることに感謝して、謙虚でなければならない。『震災後』と言われる今、より一層強く思うようになった」と語る。

プロフィール

1983(昭和58)年に九州大学文学部を卒業。同年、株式会社岩田屋(現株式会社岩田屋三越)に入社。婦人服や紳士服、営業計画、広報など様々な部署を経て、2010(平成22)年より現職。途中、1990(平成2)年に、企業派遣を利用して「慶應義塾大学大学院経営管理研究科」へ進学。1992(平成4)年にMBAを取得。
また、2010(平成22)年には、福岡県知事の任命により「町村会に係る職員倫理調査委員会」委員を務める。その他、大分県企画振興部「大分県観光ブラッシュアップアドバイザー」、財団法人九州地域産業活性化センター「リーチとフリークエンシーを意識した広報研究会」委員なども歴任。

 

 

 

 


 

 

 

 

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