今、あらゆる業界がプレゼンテーションに注目しています。伝えたいことに愛情と情熱があり、万全の準備をして、数々のテクニックを織り交ぜれば、プレゼンは誰でも絶対にうまくなります。
プレゼンとは何でしょう。それは、話すことでも見せることでもありません。プレゼンのゴールは、相手を動かすこと。そのためにはPerception(物の見方や認識)Changeが重要です。相手のPerceptionを知った上で、何をどう伝えれば相手が動くか考えてプレゼンするのです。
プレゼンは、主に3つのスタイルがあります。皆さんがよく目にするのがオーソドックス型。ビジー(詳細)型は、1枚のスライドに内容を詰めこみ、ごちゃごちゃしたタイプです。この場合、話している情報=聞いている情報=見ている情報となるように、“視点誘導”をします。「右にある」「青いグラフ」「上にのびている」のように、場所や様子、状態を伝えて説明すれば、わかりやすくなります。ほかに、テンポよくスライドを出すフラッシュプレゼンテーションもあります。
次に、シナリオづくりについて考えましょう。相手を動かすシナリオにするためのポイントは3つあります。まず、プレゼンの黄金比は3:7。いきなり本題に入らず、前半30%は、なぜこの話をするのか、なぜ重要なのかといった話をします。すると、聞き手との間に合意形成が生まれ、しっかり聞いてくれるようになるのです。2つ目のポイントは、ホラーストーリーです。いいことや自分のことばかりアピールするサクセスストーリーでは、人は動きません。相手の状況をくみ取り、なぜこれが必要か、ないとどうなるのかというホラーストーリーにすると、相手が動きやすくなります。3つ目は、「最後」に必ず「最初」を振り返ること。話がまとまり、説得力が増します。
スライド作成のヒントも、たくさんあります。伝わりやすいスライドは、直感的にメッセージを読み取ることができて、スムーズに視点誘導できるものです。投影時間が一番長いタイトルスライドは、特にカッコ良くしましょう。色数は地色を含めて4色までで、トーンを統一します。画面を目いっぱい使わず、項目のメリハリをつけて、適切な空白を作ってください。ほかに、数字や写真、記号だけのインパクトのあるスライドを挟むことも効果的です。
最後に、魅力ある話し方のテクニックを紹介します。手や指を動かすと、プレゼンに活気が出ます。大きさや位置(あちら)、立場(私)、カウント、考えているふりをするときなど、動かせるシーンはたくさんあります。話しながら左右に動いたり、接続詞で聞き手を見る動作は効果的です。できるだけ短い文を接続詞でつなぐこと、逆説・逆接(~ですが)は避けることも心がけてください。
プレゼンは、顧客の立場で表現しましょう。自分視点は「金額をお支払いします」、顧客視点なら「受け取れるんです」となります。事実と意見を組み合わせることも大切なポイント。また、絶対時間(2016年3月、11時30分など)より相対時間(あと数か月、たった今)を使ったほうが、行動を促しやすいことがわかっています。言葉の修飾も重要です。「皆さんは」を「お忙しい中ご来場いただいている皆さん」、「こちらの靴」を「こちらの素敵な靴」のように名刺を修飾すると、相手の行動を引き出しやすいのです。
皆さんに一番にやってほしいのは、次のスライドに移る前に話のフリ(ブリッジ)を入れることです。「続いて」「次は」などの接続詞を入れるほか、「この理由を探ってみたのが…」とフリを入れて次のスライドにいく方法もあります。話がうまく流れている印象を与えられます。
プレゼンの緊張をほぐすためには、会場でノリのいいペースメーカを見つけて、その人に話しかけるように進めるといいでしょう。
今日の話を参考に、愛情と情熱を持ってプレゼンすれば、誰でも上手にできます。考える前に、とりあえずやってみましょう。
タイトル | ふくおか女性いきいき塾⑨ プレゼンテーション |
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開催日時 | 2017年12月9日(土) |