ふくおか女性いきいき塾、第10回目の講義は「プレゼンテーション」。株式会社ジーコム取締役、調査研究部部長の神崎依子さんを講師にお迎えしました。
本日の講義のねらいは、聞き手を意識したプレゼンテーション(以下、「プレゼン」)のポイントを理解することと、最終報告会で行うプレゼンの改善に役立てることです。そこで、プレゼンの基本と、実践でのポイント~使えるテクニックについてお話ししたいと思います。プレゼンには、「情報提供型」「提案説得型」「感動型」がありますが、今回は、提案説得型について説明します。プレゼンの目的は、情報を伝え行動を促すことで、わかりやすいプレゼンをするためには、まず、聞き手を意識したきめ細やかな準備が大切です。プレゼンには、3つの要素があります。話す内容、流れを決める「ストーリー」、スライドを作成し、メッセージを視覚的に補助する「ビジュアル」、わかりやすく臨機応変に伝えていく「デリバリー」の3つです。
まず、「ストーリー」では、最初に内容の骨子を決めることが重要です。誰にアクションを起こすのか、最終ゴールがどこなのか明確にすることで、ストーリーの組み立て方が変わってきます。骨子の段階で、必要最低限のものを書き、その時点で重要だと思われる順番で、ページ構成の大まかなタイトル書きをする必要があります。また、提案説得型のプレゼンでは、アクションを促すのが目的なので、「主張」と「根拠」を組み合わせたロジカルな説明が重要です。また、冒頭に自己紹介等の信頼関係づくりのパートを取り入れたり、一般論ではない当事者ならではの目線や経験をメッセージにし、ストーリーの中に入れ込むことで、強い説得力と共感が生まれます。
次に、「ビジュアル」です。スライド作成のポイントは、「シンプルに」です。「1スライドに1メッセージ」が基本で、重要なことだけを絞り込んで、不必要なものをそぎ落としていかねばなりません(創造的省略)。本質的な論点が明確になり、わかりやすいスライド、メッセ―ジになっていきます。少し時間を置いてから見直すと、客観的になることもあります。最初に、レイアウトのパターン、色使い、フォント等のフォーマット(デザインパターン)を決めることが重要で、最後に調整するより効率的です。フォーマットの例としては、上にキーメッセージ、真ん中にグラフ、図、テキストを配置します。レイアウトの基本は、人の目線の動きから、ℤ形がいい。使う色を限定し、同じ色調でシンプルに見せます。情報を伝える相手や内容に合わせ、使う色調のキーカラーを決め、その濃淡で表現し表情を変えます。配布用のモノクロ印刷も確認する方がいい。メリハリをつけ、会場で見える大きさで、フォントの基本を決めます。図形や文字の大きさや位置をそろえ、グラフはわかりやすさを重視し加工して貼ります。チャートや写真を効果的に使います。
最後に、「デリバリー」です。実際の場面でわかりやすく臨機応援に伝えていく必要があります。メッセージを届けるための留意点として、「話し方、目線、動き」「スライド操作」「場の設定」「服装」「時間配分」「リハーサル」「質問への対応」等があります。
特に、「話し方、目線、動き」を工夫するだけで、説得力が変わります。そこで、私が気をつけている7つのルールについてご紹介します。①短い文章で話す、②聞き取りやすいスピードで話す、③リズムをつける。④ノイズ を作らない、⑤重要なポイントは強調する、⑥聞き手と視線を合わせる、そして、⑦最初と最後は笑顔で。以上です。
最後に、事前準備とリハーサルを入念に行うことを心がけてください。
※ノイズとは無意識のうちに出てしまう自分では気づかない様々な癖のようなもので、プレゼンの邪魔になり、本来の内容を伝達することを阻害してしまうものを指す。
タイトル | ふくおか女性いきいき塾 ⑩プレゼンテーション |
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開催日時 | 2016年1月16日(土) |