9月30日(水)、男性管理職のための女性活躍推進セミナーを開催しました。3回連続講座の第一回目となる当セミナーは、「経営戦略としての女性活躍推進 ~女性の活躍を取り巻く動き~」がテーマです。株式会社LIXILグループ 執行役副社長の八木洋介さんを講師として公開講座を行いました。
「ダイバーシティは戦略だ」と題し、最初にグローバル展開による会社の現状を説明され、その中で、グローバル経営に向けた挑戦として「世界No.1の会社」へと熱い思いを語られました。次に、「人事が、変わらなければ会社はダメになる」と明言され、人と組織を活用して会社を勝ちに導くこと。そして日本の課題として、決断が遅く、決められないことが多い、これからは変革とスピードが大切。「早い」「リスクを取って決断」が必要であることを力強く語られました。日本の女性の現状として、人間開発指数※1は185カ国中17位、ジェンダー・ギャップ指数※2は142カ国中104位という教育・健康水準は高いのに女性を活用していない現実。女性管理職比率は11%と世界最低レベルであり、日本が女性活躍において後進国であること。さらに、八木さんは、ダイバーシティを活用する重要性を挙げられ、「800万人のおじさん(45~54歳の男性人口)中心の社会」という言葉が強く残りました。
次に「ガラスの天井をなくす」ために、LIXILでは、2012年4月ダイバーシティ推進室を設立し、「経営戦略」としてのダイバーシティの実践を行っています。2013年1月には「LIXIL Diversity宣言」を策定して社内外に公表し、戦略として、積極的に女性管理職比率・新卒女性採用比率アップを推進。さらに、“輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会”の「行動宣言」に沿った「WeDoアクション」を制定。結果、女性管理職比率は2012年に比べ5.8倍、新卒女性比率30%を2年連続達成という目標を確実に実行されています。「女性は、機会を与えれば必ず力を発揮する」と心強い言葉。そして、「ガラスの天井を破る(女性が実施)」ために、女性を混ぜて育てるというリーダーシップ育成プログラムにも積極的に取り組まれ、女性活躍のためのLIXIL Women’s Networkを創設、自主的な活動に対し、トップが積極的に支援しているとのこと。これらのことが認められ、「内閣府特命担当大臣賞」「ダイバーシティ経営企業100選」を受賞、2年連続で「なでしこ銘柄」に選定されています。
成功の秘訣として、なんとしてでもやるという、トップの強いリーダーシップとスピードが大事。何より、女性の盛り上がりと活力が必要だと言います。さらに、新たな取り組みとして、長時間労働、男性の育児休暇取得率向上についての対策やLIXILのトップ自らが業界での会合、サプライヤー、パートナー企業へ女性活躍推進について積極的に発信。ワーキングマザー(妊娠から育休復帰)のキャリア形成支援を紹介され、ますます女性社員の活躍が期待されます。
参加者アンケートでは、「ゲタをはかせてでも女性を登用する。という強い気持ちを持つ必要性を痛感した。」と参加者の意識にも変化があったようです。
セミナーの最後に、福岡労働局雇用均等室室長 甲斐能枝さんより、今年8月に成立した「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」について説明がありました。平成28年4月から、労働者301人以上の企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けられ、このうち取組の実施状況が優良な企業は厚生労働大臣の認定を受けることができるので、認定取得をめざすよう呼びかけられました。
※1・・保険、教育、所得という人間開発の側面に関して、ある国における平均達成度を測るための簡便指数
※2・・経済分野・教育分野・政治分野及び保健分野における各国の男女格差を測る指数
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タイトル | ダイバーシティは戦略だ |
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開催日時 | 2015年9月30日(水) |