ふくおか女性いきいき塾　⑤リーダーシップ

　女性の大活躍推進福岡県会議の女性管理職ネットワーク「WE-Net福岡」のみなさん７名を迎え、「リーダーシップ」について共に考えるワークショップ形式の講座を実施しました。

　リーダーシップは、時代とともに変わっています。時代をさかのぼれば、戦後の復興期のように、カリスマ的なリーダーが人々を引っ張って、経済や産業をどんどん復興させていくという時代がありましたが、リーダーシップというのは、発揮の仕方がいつでも同じということではありません。時代に合ったリーダーシップが求められます。
　今の時代は、少子高齢化で労働力も減っています。今までのように男性中心ではなく、女性も高齢者も若い人もみんなの力が必要な時代です。雇用形態や就業意識が多様化する中、メンバーの納得感、やる気などを重視した調和的なリーダーが求められています。車に例えると、これまでのカリスマ的リーダーが前輪駆動なら、調和的リーダーは四輪駆動です。みんなを巻き込みながら進んでいくイメージです。
　リーダーとは、使命感、周囲の共感を得ながら組織の活力を生み出していく人です。ではリーダーシップは何かというと、目標に向けて、メンバーを方向づけるための影響力です。一般的に、リーダーと聞くと管理職を思い浮かべると思のですが、管理職が権限を持ってメンバーを指揮することは、ヘッドシップと言い、リーダーシップとは違います。つまり、リーダーシップというのは、管理職が発揮するものではなくて、組織の活力を生み出す人、すなわち、誰もが発揮できる力だということです。ですから、私たち一人ひとりが、自分で考え、使命感を持って、理想を持って、周りに影響力を及ぼしていくこと、それがよいリーダーに向かって成長する第一歩となります。
　リーダーシップには、「指示型」「参加型」「委任型」の３つのスタイルがあります。指示型とは、リーダーが自分に権限を集中して、メンバーに指示するスタイル。参加型とは、リーダーが仕事の遂行についてメンバーに確認しながら、一緒に仕事をしていくスタイル。委任型とは、リーダーがメンバーに権限を一部委譲して、メンバーの判断で仕事をしてもらうやり方です。この三つの型に優劣はなく、状況に応じて使い分けていけばいいのです。では、どういう場合に有効かというと、指示型については、新入社員が多かったり、新しい組織などで遂行能力やメンバーの意欲が低い場合です。あと緊急事態の場合にも有効です。火事だというときに、「皆さんどちらに逃げますか」と言っていても、みんな死んでしまいます。参加型・委任型は、組織の能力やメンバーの意欲が高いとき、また、リーダーが異動直後の場合などに有効です。

　リーダーシップの型を見てきましたけれども、リーダーシップというのは、上司から部下への作用だけではありません。部下から上司に対しての提案や説得、関係部署や関係会社の方々に対し協力を取りつけるのもリーダーシップの一つです。360度のリーダーシップは誰でも発揮することができるものなのです。
　最後に、今、いろいろな気持ちが浮かんでいると思いますが、気持ちだけだと成果にはつながりません。行動していくことで成果につながっていきます。それは、私たち７名全員が感じている事です。ぜひ今日気がつかれたこと、思いなどを行動につなげていっていただきたいと思います。

講師：女性の大活躍推進福岡県会議の女性管理職ネットワーク　「WE-Net福岡」の皆さん
重松　典子さん　　福岡県　新社会推進部　次長
園田　理恵さん　　九州電力株式会社　人材活性化本部　ダイバーシティ推進グループ長
高間　和子さん　　株式会社アヴァンティ　WEB企画・制作部　部長
福永　憲子さん　　パナソニックホームエンジニアリング株式会社 ES戦略企画室ショウルームグループ　副参事　
宮浦小百合さん　　株式会社不動産中央情報センター　総務人事課　課長代理
森山　陽子さん　　株式会社キャリア・リード営業部　部長
古田　香さん　　株式会社ポータル（九電工グループ）　人材部　部長

【女性管理職ネットワーク「WE-Net福岡」】
　2013年に発足した「女性の大活躍推進福岡県会議」は、女性管理職の登用目標の自主宣言を企業等に呼びかけるなど、全国的にもその運動は注目を集めている。「WE-Net福岡」は、その一環として結成された女性管理職のネットワーク。