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平成26年度ふくおか女性いきいき塾(1/17開催分)

 ふくおか女性いきいき塾、第10回目のテーマは「国際情勢」。世界各地で緊急支援や難民支援を行っている特定非営利活動法人JEN 理事・事務局長の 木山啓子さんに、ヨルダンにあるシリア難民キャンプの支援活動を中心にお話しいただきました。

周辺国へ逃れるシリア難民の数は2013年の時点で約188万人、現在(2015年1月)は約330万人となっています。その中でヨルダンで生活している人たちは約62万人だそうです。
緊急支援の時に必ずやらなければいけないことの1つにトイレ設置があり、ここでもまずトイレを作りました。しかし、長い難民生活によるストレスでトイレを壊したり、売るために盗む人もいたそうです。そんな中で、住民主導の水衛生委員会を立ち上げ、水と衛生の管理や衛生知識の普及などを始められました。今では2,000人のメンバーが8万人のケアを行い、特に子どもたちには健康管理のため、歯磨きや手洗いを通じた衛生教育をしています。この活動により、水を原因とする病気が激減したそうです。

衣料配布事業では、全テントを回って家族構成を把握し、必要なものを計画的にパッケージにして配布することで、混乱や暴動もなくうまくいくようになりました。平等に物資がいきわたる事で住民は安心感や信頼感を取り戻し、ルールを守る(配給を並んで待つ)ことができるようになったのです。

ここでの最大の問題は、人口の5割強が12歳以下の子どもだということ。毎週50人前後の子どもが生まれているそうです。ケアが必要な人は増えているが大人が足りない。厳しい環境の中で生活している子どもたちに適切な教育を受けさせられないと、過激な思想に触れた時にそちらに傾く可能性があると危惧されていました。
 
住む場所、食糧や物資、衛生、治安、情報、天候、人口構成といった多くの課題のあるこのキャンプで、JENは自立を目指した緊急支援をしています。すべての事業は、たとえ緊急支援であっても自立の手段だと考えているそうです。JENでは「自立」を「課題を設定でき、その課題を自力で解決できる。周りを巻き込んで解決できる」と定義し、すべての問題を自分たちで解決できるよう支援されています。

旧ユーゴスラビアで、夫と息子を亡くした女性に編み物活動への参加を勧めた時、「何もする気になれないけど、娘のために編みたい。寒い冬を越せるように」と参加してくれるようになりました。同じ境遇の女性たちが集まり編み物をすることで、会話が生まれ心が打ち解けあい、その後サポートグループができました。このような場面を様々な紛争地でも経験し、「人は極限状況では、自分のためには頑張れないけど、誰かのためなら頑張れる」ということを学んだそうです。人は、自分の暮らしは自分で何とかしたい、何とかできるという力が、どんな人の中にもある。どんなに極限状態に見えても、その人の中にもう一度前に進む力が残っていると語られました。

現在は、増え続けるシリア難民を受け入れるヨルダンの地域社会(ホストコミュニティ)の支援もしています。シリア難民の子どもたちを受け入れることで急激に難民数が増加しているヨルダンの公立小学校をサポートしています。これまでに、ヨルダンにある668の公立学校への調査の実施や、200校での衛生施設の改修や衛生教育を行いました。

最後に、「今日からできる国際貢献をとして【学ぶ・考える】【継続する・忘れない】【伝える】【寄付】【プロボノ】をやってみてください。自分で学び考えることで解決への糸口が見えてきます。そして人生を楽しむこともサポートの1つだと思っています。幸せな人は周りを幸せにする。その幸せが世界中に広がれば、幸せな地球をつくれると思います」というメッセージを送ってくださいました。

    タイトル平成26年度ふくおか女性いきいき塾 講座⑩「国際情勢」
    開催日時 2015年1月17日(土)

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