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平成26年度ふくおか女性いきいき塾(12/13開催分)

 ふくおか女性いきいき塾、第9回目のテーマは「政治参画」。現役の数少ない女性町長のおひとりである苅田町長の吉廣啓子さんを講師にお迎えしました。

 お話は、ホワイトボードにいくつかの「ジンザイ」という字を書きながら、スタートしました。地域の中に存在するだけで、ある意味災いとなる「人災」、よくもなければ悪くもない、邪魔もしなければ応援もしない、ただいるというだけの「人在」、才能は持っているけれども、誰のためにも地域のためにも役に立ちもしない、ただ自分に才能があるというだけの「人才」、そして、俗に言う「人材」。そこそこ力もあるし、地域の中で活躍したり、誰かのために役立とうという忠誠心を持っていたりする人のことです。けれども、一番に求められているのは「人財」で、塾生のみなさんには、地域の中の宝や財産となるような人になるよう、がんばって学んでいただだきたい、と目指すべき人物像を示されました。そして、江戸しぐさを例に挙げ、相手を思いやり、優しく過ごせるような行動ができる人、またそれを人に教えられる人が地域で求められている人財であると、と話されました。

     それから、苅田町は福岡県内で唯一地方交付税をもらわない自立している財政的には豊かな町です。それだけではなく、町で行き会う人々が、優しさにあふれている、だから、いつどこに行っても「ごめんなさい」や「ありがとう」「すみません」という言葉がしょっちゅう聞かれる、そういう心の豊かさや幸せを感じる町づくりを目指している。また、女性の町長だから、女性のためだけ、女性の登用だけ、そういう視点で考えるのは間違いで、町民には子どもからお年寄り、男性も女性もいる。みんなのことを考えるのが、町長の立場であり、その中で、女性の登用や人材育成を進めていくことが大事だと述べられました。

       日本には約930の町村がありますが、女性の町長は6人しかいないそうです。まだまだ女性の少ない中、女性には政治力がないと言われることもあるそうです。しかし、誠実力や人間性を重視し、クリーンな姿勢を貫いてこられ、現在3期目の任期に入られました。教師経験やボランティア経験を活かし、教育改革に力を入れているとのことです。「いろいろなことを頼まれたり声がかかったときに、自分でほんとうにできないと思っていないときは『いや、私なんか』とか『いや、女性の私が』とかそういうせりふを言わない。みんなはあなたならできると思って声をかけてきているのですから、『私でよければやります』とすっと受ける。やってみてできなければ、やめればいいのですから。」と塾生たちにリーダーとしての心構えを話されました。

       笑い話のように町長になったいきさつや町長になってからの過酷なエピソードやトップとしてのやりがい、10年の間に町民や職員が変わっていった様子などを率直に語られる中で、最初は遠い世界だと思っていた政治や選挙を身近に感じ、おっしゃった言葉の一つ一つが、次世代リーダーを目指す塾生たちの心に響いたようです。塾生の質問にも丁寧に答える姿に、普段の町民の方の向き合い方が伺えるようでした。

       最後に、「ほんとうにこの中から、どことかの町長さんが出たよと早く聞きたいと思います。頑張って下さい。」とエールを送られ、盛大な拍手と共に終了しました。

        タイトル平成26年度ふくおか女性いきいき塾 講座⑨「政治参画」
        開催日時 2014年12月13日(土)

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