第4回目の「ファシリテーション」は、九州大学大学院統合新領域学府客員准教授で、NPO法人日本ファシリテーション協会フェローを務める加留部貴行さんをお迎えし、随所にグループワークを織り交ぜ、特に、会議・打合せ・ミーティングに焦点を当て、チーム力を引き出すファシリテーターの役割や、合意形成に向けた準備の基本などを学ぶ体験型の講義となりました。
前半は、塾生がこれまでに経験した会議を振り返り、どのような会議がよい状態かを理解しているのに、人はなぜできないのか?「知っている状態」と「している状態」の間に、「意識していること」が重要であることを、身体を使ったワークで実感したようです。また、なぜ人は集まるのかを考え、また人それぞれの受け取り方があり、違いがあることを前提に、その人の背景を知りあいながら、折り合いをつけていく必要がある。折り合いをつける中では「対話」が必要で、「聴く」「話す」のどちらか一方ではなく、双方が出し合うことによって、知らないことを知り、気づくチャンスが広がると、納得していきました。
後半、ファシリテーションは「引き出す力」であり、「聞き出す力・書き出す力」であると加留部さんは説明します。また、ファシリテーターの腕の見せ所は、いかに参加者に動き(一言いう、書き出す)をつけられるか?で、課題テーマやメンバーに中立的な立場で、道筋や進め方お意識しながらチームのプロセスを管理し、ひとりでやらない、ひとりでさせない、ひとりにさせないようにチームワークを引き出し、確認・振り返りを行いながら、そのチームの成果が最大となるように働きかけていくことだと学びました。
また、合意形成に向けた準備で大事なことのうち、その中でも加留部さんが意識していることは、一つ目が目的を確認すること、二つ目が目標を設定すること、三つ目が時間を意識すること、四つ目が、雰囲気をつくること、をピックアップされ、最後に、「今、この瞬間にこういう参加者がいてくれたら助かるのに・・・という参加者になってください」、と締めくくられました。
午後からの課題研究※も引き続き加留部さんによる進行で、早速、学んだばかりのファシリテーションを実践しながら、お互いの思い、考えを聞き出し、研究テーマについての議論を深めていきました。
テンポよく、時折笑いも溢れる中進められた講義に、塾生からは「聴いていないということは相手を許していないこと、というのには大きくうなづけました。社内会議の進め方を考えるきっかけになりました。」「自分の常識が相手にとっての常識とは限らないので、違和感があるときはきちんと言葉の意味のすり合わせを行いたい」「何を繰り出せば話が進むのか自分に問う。このような視点で会議に参加していなかった。そのためには準備が大切であることを学びました」「論理的であっても納得感がないと浅い議論になると気づきました」という感想が聞かれ、各自できることから始めようと考えた1日になりました。
※課題研究:「ふくおか女性いきいき塾」は、課題研究、講義及びディスカッションで、構成され、課題研究では、男女共同参画社会の実現に向け、小グループに分かれて課題を設定し、課題解決に向けた調査・研究を実施します。(アドバイザーがサポート・助言します)
タイトル | 平成26年度ふくおか女性いきいき塾 講座④「ファシリテーション」 |
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開催日時 | 2014年8月2日(土) |