第9回は、JR九州グループで初の女性社長となられ、約1,100人の従業員を率いる、
JR九州ファーストフーズ㈱代表取締役社長 赤木由美さんに「欲深くていい。たくさんの夢を描いて!」をテーマにお話しいただきました。
赤木さんは大学卒業後、九州旅客鉄道へ入社。本格的な女性の採用が始まった3年後に入社されました。25歳で結婚し、現在は中学生の子を持つ母でもあります。その間、産休・育休をとり、周囲の助けを得ながら仕事と子育てを両立されてきました。
まず、育児休業を取得される時のお話を伺いました。赤木さんの周りには、育児休業を取得したことのある社員は少なく、また男性の多い職場だったため、妊娠の報告をする前は、受け入れてもらえるか不安だったそうですが、前例がないためか、上司や同僚も固定観念にとらわれることなく前向きに対応してくれたそうです。休暇に入る前に「いつ復帰するの?」と聞かれた時はとても嬉しかったと話されました。
順調にキャリアを積んで来られたように見えますが、仕事を辞めたいと思ったことは何度もあるそうです。「仕事でミスをして怒られたり、意見が通らなかったりはしょっちゅうありました。また、定期的に異動があり、そのたびに転職したような感覚でした。しかし、一日も早くチームの一員になるために、情報収集と勉強は欠かさず、そして会議の場では出来るだけ発言をしてきました。」と、モチベーションが下がっている時も常に前向きに行動してきたそうです。その仕事に対する熱意と、実力が認められ、キャリアアップの道が開けたのでしょう。「頑張りは、必ず誰かが見てくれています。」という言葉が印象的でした。
参加者から「人材育成や従業員の管理はどうされていますか?」という質問に対し、「店長の育成に力を入れています。」と答えられました。店長はお店の顔であり、お店の雰囲気やアルバイトのモチベーション、売上げまで店長次第で変わるそうです。
さらに、「叱る時は1対1、褒める時は皆の前で大げさに」という指導方法は、社長になった今でも変わらず続けているそうです。
最後に働き続ける秘訣を伺いました。「完璧にワーク・ライフ・バランスをとろうと思わずに、肩の力を抜くこと。また、人に頼ることも必要です。」赤木さん自身、お子さんと過ごす時間が充分にとれず、子どもに申し訳ないという気持ちをずっと持っていたそうですが、社長就任の報告をお子さんにメールでしたところ、「やったー!」という文字とばんざいの絵文字が入ってきたそうです。「一番のご褒美をもらった気がした。今まで後ろめたい気持ちも沢山あったけど、全て良かったと思えた瞬間でした。」と声を詰まらせながら語ってくださいました。
参加者からも「家庭と仕事の両立不安を抱えていますが、赤木さんのメッセージに励まされ、頑張ろうと思いました。」「これから就職活動ですが、働く楽しさを感じることができて良かったです。」などの感想が寄せられました。
タイトル | 欲深くていい。たくさんの夢を描いて! |
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開催日時 | 2013年2月27日(水) |