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第8回 あすばるキャリア塾 和栗 百恵さん 

第8回は、福岡女子大学准教授の和栗百恵さんをゲストに迎えて、「You must do the thing
you think you cannot do.(できないと思う事をやらなければならない)」をテーマにお話しいただきました。

和栗さんは、大学卒業後、アメリカのスタンフォード大学で教育社会学などを学び、スリランカにて現地NGOに所属し、農村開発に関わる仕事に取組まれてきました。帰国後は、母校である中央大学にて「体験学習」を教えるようになり、平成23年に福岡女子大学に新設された国際文理学部の教員となられます。

和栗さんが取組んでいる「体験学習」の特徴は、実社会での体験を通して、自らの生き方を切り拓く力を身に付けるというもの。事前学習、現場体験、振り返りまでのプロセスを徹底する事で、学習した事をより深く自分のものにしていく。座学だけではなかなか身につかない実践力が身につくそうです。
具体的には、ラーメンの一風堂と共同でラーメン作り教室を開催し、商品ができるまでの過程や、商品の裏側にあるストーリーや苦労を体験したり、牡蠣小屋での就労体験では、第一次産業への理解を深めたりと、様々なプログラムに取組まれています。

学生と触れ合う中で、和栗さんが重要視されているのは「失敗体験」だそうです。「成功体験も勿論大切ですが、それ以上に失敗体験も重要です。火の怖さは触らないと分からない。しかし今は、周りが手を差し伸べすぎて考える種が蒔かれていない。そんな時代だからこそ失敗を恐れず、自ら飛び込んでいくことが大切なんです。」と熱く語られました。さらに「今の大学生の精神年齢は、実年齢よりも幼い人が多いようです。新卒で就職して2年以内でやめる人も増えていますし、折れやすい人が多いのです。」という言葉には、会場からどよめきが起こりました。和栗さんが体験学習に尽力される背景には、このような現状があるからだと感じました。

和栗さん自身も、「体験学習」という前例の少ない教育システムを前に、試行錯誤を繰り返されているそうですが、テーマの「出来ないと思う事をやらなければならない」という言葉を胸に、道を切り拓いていらっしゃいます。

最後に会場の皆さんに「1日1個、自分が怖いと思う事をやりなさい。」というメッセージをいただきました。これは、テーマと同じくエレノア・ルーズベルト(初めてファーストレディーとして公の場に立ち、人権問題や社会改革に取組んだ人物)の言葉だそうです。「新しい事をするのは怖い。だけどやってみることで怖さが薄れるし、それを続ける事で力になる。一緒に頑張っていきましょう。」と締められました。

    タイトルYou must do the thing you think you cannot do. (できないと思う事をやらなければならない)
    開催日時 2013年1月23日(水)

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