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第7回 あすばるキャリア塾

 第7回は、株式会社 松下美紀照明設計事務所 代表取締役・照明デザイナー 松下美紀さんをゲストに迎えて、「“光の感性哲学者”として、未来の光を創り続ける」をテーマにお話し頂きました。

「光」には形がないけれども「強い力」があり、光のあて方次第で、照らす対象そのものが持つ価値や魅力をより引き出すことができるのだそうです。
日本にはその気候や風土より、光のグラデーションを美しいと思う感性を持ち、古くから生活の中に情緒的な「光」、そして「陰」を取り入れた素晴らしい文化や表現があります。例えば、日本家屋の障子などをとおして映し出される陰影や、グラデーションが生み出す空間の奥行き、ぼんやりとした光を感じさせる「春霞」「おぼろ月」などの言葉が数多くあり、照明デザインを行うにあたっては日本人が持つそういった美意識をとても大切にされているそうです。形のない光をできるだけ分かりやすい言葉で表現することを心がけ、照明デザイナーとして日本の美しさを多くの皆さんに伝えていきたいと話されました。

 1989年に会社を設立、今年で24年目を迎えられ、現在は、東アジアをはじめ、海外の仕事も多いそうです。海外では、その土地にある建物、地域が受け継ぐ歴史や文化、風土や慣習など、背景にある様々な事情も理解した上で、その国の言葉で、現地の方々と対話をしながら作り上げていくことがいい作品を生み出すためにとても重要とのことで、これまでプロジェクトを行った国でもそれを実践されています。そして夢は、これから行くであろうたくさんの国の言葉を理解しコミュニケーションすることだそうです。

 国内の仕事においても常に先端技術や新しい手法を取り入れており、近年は、産婦人科の分娩室の照明システムを開発。陣痛の痛みや呼吸に合わせて照明の明るさを自動調整するシステムの構築や、妊婦さんそれぞれがリラックスできる照明の色を選ぶことができるシーンの設定など、光の魅力を多方面に広げられています。

 お話の中で、今後の人生において、またキャリアを積み重ねていく中で、役に立つ言葉をたくさんいただきましたので、ご紹介します。

・「運」というのは「運動」の「運」。動かないと「運」は付いてこない。「運」は、みんなに均等に与えられていて、それを、どこでつかむかということ。
・ビジネスにおいて重要な3つのスキル
「ヒューマンスキル」人間として相手にどう言葉で伝えていけるか
「テクニカルスキル」その仕事に関わる特定の能力
「コンセプチュアルスキル」物の本質を見極める力(これがとても大事だそうです。)
・今を大切に、一日一日を一生懸命に過ごす。毎朝、目が覚める度に、今日を迎えることができたことを幸せに思う。
・何事もポジティブに捉える。苦手だなと思う人は、いいところを見つける。強みを探す。 

太陽のように明るくやさしい笑顔でお話される松下さんに、モチベーションアップのパワーを頂きました。

タイトル「光の感性哲学者」として、未来の光を創り続ける
開催日時 2012年2月29日(水)

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