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【センター長コラム No.76】 7月の記念日――女子差別撤廃条約加盟記念日  (2022年7月6日配信)

マツバギクが咲いています。黄色の花はオシロイバナ。オシロイバナは、英語名を「four o'clock(4時)」と言われるとおり、夕方4時ごろから花が開きます。ピンクのオシロイバナはよく見かけますが、わが家は元気カラーの黄色でそろえています。

お変わりありませんか。

  

前回に続いて、記念日に関するお話です。

月の記念日といえば、今日7月6日の「サラダ記念日」を思い浮かべる方も多いかもしれません。

「サラダ記念日」は、歌人の俵万智さんが1987年に出版した歌集『サラダ記念日』に収められた短歌の中に出てきます。

好きな人のためにサラダをつくったら、この味はいいねと言ってくれたので、この日は「サラダ記念日」だという、みずみずしい感性の、普通の話し言葉で詠まれた短歌は、大変な反響を呼びました。

 

でも、今回は、「サラダ記念日」ではなく、7月25日の、日本が「女子差別撤廃条約」に加盟した記念日のお話をしたいと思います。

 

条約がつくられ、それに加盟する手続きは、いろいろなパターンがありますが、「女子差別撤廃条約」の手続きは、次のとおりです。

 

1)採択

こういう内容の条約にしましょう、と決めることです。女子差別撤回条約は、1979年12月18日の国連第34回総会で採択されました。

このとき、国連の本会議で、条約案採択に賛成のボタンを押したのが、当時国連日本政府代表部公使だった赤松良子さんです。賛成130、反対0、棄権10で採択されました。

 

2)署名

条約に加盟しようと思っています、という意思表示のために行うのが署名です。

女子差別撤廃条約は、1980年にデンマークのコペンハーゲンで開催された第2回世界女性会議の際に署名式が行われ(7月17日と7月29日)、日本は7月17日に、デンマーク大使を務めていた高橋展子さんが日本政府代表として署名を行いました。

 

  当初、日本は、条約に抵触(違反)している制度を変えるのは難しいとして、署名す
  ることに後ろ向きでしたが、マスコミや女性団体、議員、その他多くの人が政府に働
  きかけて、署名式前々日の7月15日に、署名をすることが閣議決定され、署名にこぎ
  つけました。

  

3)批准

条約の内容を国家として確認して、正式に同意することです。

条約の批准は、憲法で、国会の議決を経て、内閣が行うことになっています。

批准は批准書寄託(提出すること)によって行われます。

日本は、条約に違反していた男女不平等な法制度を変更して(国籍法改正、高校の家庭科男女共修、男女雇用機会均等法制定)、1985年6月24日に国会で批准が承認され、同日内閣が批准を決定しました。

 

批准書の寄託は、通常は国連で行われますが、1985年は、つくば万博の年で、ちょうど、国連のデクエヤル事務総長が万博の視察に来日していたため、日本で寄託式が行われました。6月25日、女性議員や関係者が見守る中、当時の安倍晋太郎外務大臣からデクエヤル事務総長に批准書が手渡されました。

 

4)日本の条約加盟の効力発生

女子差別撤廃条約には、条約の批准書が寄託された日の後30日目の日に条約加盟の効力が発生すると定められています。

日本が批准書寄託を行った6月25日の後30日目の、1985年7月25日に条約加盟の効力が発生しました。

  7月25日は、日本が女子差別撤廃条約に加盟した記念の日です。

 

男女共同参画社会基本法の基本理念の1つに、国際的協調があります。憲法にも、条約を誠実に守ることが定められています。

女子差別撤廃条約の加盟記念日も、是非、覚えていただきたいと思います。

 

なお、女子差別撤廃条約については、以前にもいろいろな角度からコラムを書いていますので、ご参照ください。

 「歴史が動いた夏」(2019.07.23)

 「枠組みの転換点 『女子差別撤廃条約』」(2020.04.28)

 「『女子差別撤廃条約』で変わった日本の法制度①」(2020.05.07)

 「『女子差別撤廃条約』で変わった日本の法制度②」(2020.05.13)

 

さて、女子差別撤廃条約の実施の進捗状況を検討するために、女子差別撤廃委員会が設置されています(23人の委員で構成)。委員は、締約国が提出する候補者の中から、選挙で選ばれることになっています。

 

条約採択のときに賛成ボタンを押した赤松良子さんも、以前、この委員を務められました。

現在、亜細亜大学教授の秋月弘子さんが務めておられます(任期2022年12月31日まで)。

今年12月に任期満了となる委員が12人いて、後任を選ぶ選挙が、去る6月23日、ニューヨークの国連本部で開かれた締約国会合で行われました。その結果、秋月さんは、24人の候補者の中から2期目の当選を果たされました。任期は、2026年12月31日までです。

 

秋月弘子さんは福岡県のご出身で、以前、北九州市立大学で教鞭をとられたこともあります。福岡県出身の女性が女子差別撤廃委員会委員として活躍されていることは、私たち福岡県民の誇りです。

 

「あすばる」では、地域のリーダーを目指す女性の皆さんを応援するための連続講座を、8月から来年2月にかけて実施しますが、その講座の第2回目(9月10日(土)午後)の講師として、秋月弘子さんが「あすばる」にお越しくださることになっています。秋月さんは、受講生の皆さんと直接お話ししできることを楽しみにしてくださっています。

 

現在、連続講座の受講生を募集中です。多くの皆さんのご応募をお待ちしています。

また、この日の秋月さんの講演については、より多くの皆さんにお聞きいただけるように公開講座とすることにしています。近く参加者の募集を行いますので、男性の方をはじめ多くの皆さんが聴講くださいますようお願いいたします。

 

 

最後は、マイ農園だよりです。

スイカに小さな実がなりました。今年は生育が悪く、何回も苗の買い足しをして、都合8苗を植えました。やっと1個目のスイカです。ブラックベリーが少しずつ収穫できています。黒くなったものから冷凍していって、フルーツ酢をつくる予定です。

 

そうそう、俵万智さんの歌集『サラダ記念日』ほか、俵万智さんの著書が、あすばるライブラリーにあります。是非ライブラリーにもお越しください。

 

ではまた。                          (2022.07.06)

 

 

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