皆さん、こんにちは。
まずは、季節の写真をお届けします。桜とモモの花です。
今年度の事業については、3月末発行のニューズレターに年間事業計画を掲載し、すでに皆さんのお手元に届いていると思いますが、感染は拡大するばかりで、予定を見直さなければならない状況になりました。
今後、予定の変更は、随時、ホームページでお知らせしますので、ご確認いただきますようお願いいたします。
現時点で中止が決定したのは、5月9日(土)に予定していた赤松良子さん(元労働省婦人局長・元文部大臣)の講演会とパネルディスカッションです。
今年は、職場での男女平等を定めた「男女雇用機会均等法」制定35年の記念の年です。
労働省婦人局長としてこの法律の制定にご尽力され、「均等法の生みの親」と言われる赤松良子さんをお迎えして、皆さんと一緒に、お話を伺うことを楽しみにしていたのに、とても残念です。
男女雇用機会均等法が制定されたのは1985年です。
1980年に女子差別撤廃条約(1979年採択)に署名したわが国は、1985年までに条約を批准するという方針でしたが、批准のためには、雇用の場における男女平等法を制定する必要がありました。
今でこそ、職場での男女平等は当たり前ですが、当時は、女性は家庭責任がある、女性は補助的な仕事といった考えが社会通念であり、勤続年数も短い女性を男性と同等には扱えないというのが企業側の考えでした。
また、労働基準法に、女性の深夜労働の禁止など、女子保護規定があり、これをそのままにしての男女雇用平等法は考えられないという主張もありました。
一方で、労働者側の女性は、男女差別は違法として、罰則付きの男女雇用平等法を要求し、女性保護をなくすのは反対という主張でした。
労働省内部にも温度差がありました。
法案ができるまでに大変な時間を要しましたが、法案が明らかになってからも、さらに大変紛糾したのです。
というのは、法案は、禁止とするのは、教育訓練、福利厚生、定年・退職・解雇の差別だけで、募集・採用や配置・昇進は努力義務、罰則規定なし、女子保護規定は一部廃止するという内容で、これに女性労働者が反発、赤松局長糾弾、法案粉砕のデモまで行われました。
国会の法案審議の場でも、赤松局長に、財界からの圧力に屈したこんな法律しかできないのなら辞職せよという発言まで出たのです。
少し長くなりますが、赤松さんが、法案の審議の中で行った答弁の一部を紹介したいと思います。赤松さんの強い意志と、あきらめない心、深慮遠謀が伝わってくる答弁だと思います。
「雇用における男女の機会均等法を成立させるという任務にあたったことは、大変難しいと同時に生きがいでもあったわけでございます。いろいろ限界はございましたが、そのために私としてはベストを尽くしたつもりでおりまして、私が辞めることによってもっといいものができるのならば辞めたでございましょう。でも私はそうは思わなかったわけでございます」
「この法律は百点満点だと決して思っておりません。いろいろな制約の中で現実に見合ったものにしていかなくてはならない、あまり現実と遊離したものではワークしないのではないかという考慮もございましたので、いろいろな点で不十分な点があることは審議会の答申の中にも言われている通りでございます。(中略)見直しを今後も引き続き行っていくべきものだというふうに思います。(中略)しかし、この法律があることによって、その進歩が現実により具体的になるというふうに私は信じております」
どちらを向いても逆風の中、赤松さんと婦人局のスタッフの努力で、均等法が成立したのです。その後均等法は改正を重ね、今のかたちになっています。
私たちは、先輩の女性たちのおかげで今の社会があることをしっかり受け止め、次の世代に、さらによい社会になるよう受け継いでいかなければならないと思います。
赤松さんは現在も、女性の地位向上のための活動を続けておられ、2018年に成立した「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律(候補者均等法)」の制定に、市民の立場から働きかけを行った「クオータ制を推進する会」の代表も務められており、まさに「二つの均等法の母」なのです。
赤松良子さんや均等法に関しては、まだまだ書ききれなかったことがたくさんあります。また改めて、ご紹介したいと思います。
さて、新型コロナウイルス関連で、皆さんとお会いする機会がなくなってしまいましたので、これまで月に1~2回のペースで掲載していた「センター長コラム」ですが、なるべく週1回程度の掲載を目指したいと思っています。
ホームページをたびたびご訪問くださいますようお願いいたします。
また、できるだけ双方向の会話にしたいと思いますので、私が学生時代、よくラジオ番組にリクエストカードを出したことを思い出して、リクエストフォームをつくりました。知りたい情報や、コラムの感想、皆さんの地域の話題などをこちらにお寄せください。お待ちしています。※現在は行っておりません
以前のコラム「子育て中の『ママ』の思い」にいただいた感想を参考までに。
「築上町や糸島市のママたちの動きも見ていると、支援も必要だけど、小さくとも本気で働き、支援されるだけではないという意味での『自立歩行』できるような選択肢がもっと増えればいいなと思いました。」(「うずら」さん)
終わりは、マイ農園だよりです。
レモンを収穫しました。はちみつ漬けや塩レモンをつくりました。塩レモンは、モロッコ料理の、鶏のタジン鍋の味付けに使います。
ではまた。 (2020.04.03)