渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
大島 真寿美// 著 文藝春秋
候補作品の作者が全員女性であった第161回直木賞受賞作品。主人公の近松半二は江戸時代に実在した浄瑠璃作者です。立作者として大阪道頓堀「竹本座」の全盛期を築き、現在でも歌舞伎・文楽(人形浄瑠璃)で上演される名作を残しています。本作は、虚構と現実の「渦」の中で作品を作り出していく半二の生涯を軽快に描いています。
つみびと
山田 詠美// 著 集英社
この作品は、2010年に起こった大阪二児置き去り死事件を元にしたフィクションです。2013年、母親に懲役30年の判決がでましたが、自分自身が虐待を受けていた母親が我が子を育児放棄し死に至らしめたという背景を知ると、胸が痛みます。とても重い内容ですので躊躇されるかもしれませんが、一度読んでいただきたい作品です。
日本の天井 時代を変えた「第一号」の女たち
石井 妙子 // 著 角川
サブタイトルが示す通り、日本で「女性初の存在」になった7人への取材を元にした作品です。国連公使として女子差別撤廃条約の採択に立ち合い、男女雇用機会均等法の制定に尽力された赤松良子さんの章もあり、勇気をもらえます。女子差別撤廃条約の採択から40年の節目となる今年、ぜひ読んでいただきたい本です。
▼新着図書一覧はこちら▼