前半の講義では、朝倉市男女共同参画・青少年係長の栁瀬ユミさんより「男女共同参画の視点を踏まえた災害時における市町村職員の役割」と題し、講義をしていただきました。
平成29年度の九州北部豪雨災害の際に被災した朝倉市において、避難所運営といった災害対応に当たる際にどのように男女共同参画の視点を踏まえたのか、ご自身の経験をもとにお話しいただきました。
災害時は真っ先に対応にあたらなければならない市町村職員の皆さんは、「平時にできないことは緊急時にはなおさらできない」という栁瀬さんのお話に真剣な表情で聞き入っていました。
参加した方からは、「自分の自治体で災害が起きた際にパニックにならないよう、日ごろから気を付けていきたい」「避難所運営について必要な対応を具体的に知ることができた。」と、大変好評をいただきました。
後半の講義では、ふくつ男女共同参画協議会 綸りん会長の山田宏子さんより、「防災と男女共同参画 クロスロードゲーム」と題してお話しいただきました。クロスロードゲーム(※)により、災害時に遭遇する様々な場面でのジレンマを疑似的に体験しました。
「正解はない。クロスロードゲームは考えて決断する訓練にもなります。」との山田さんのアドバイスに、参加した皆さんは与えられる様々な状況において、「自分ならどう対応するか、またなぜそう判断したのか」ということについて、互いに共有しました。参加した皆さんからは、「クロスロードゲームは決断力を養うために非常に有効だと感じた。自身の自治体でもぜひ行いたい。」「同じYES・NOの意見でも理由が異なり、自分以外の意見を聞くことの大切さを学ぶことができた。」と、大変好評でした。
(※)クロスロードゲーム・・・文部科学省が推進する「大都市大震災軽減化プロジェクト」の一環として、京都大学の矢守克也助教授(当時)、慶應義塾大学の吉川肇子助教授(当時)、ゲームデザイナーの網代剛(当時)によって開発。最初に開発されたのは、阪神・淡路大震災で実際に災害対応を行った神戸市職員に対するインタビューに基づいて、職員が経験した災害対応のジレンマのケースをカード化した「神戸編・一般編」(2004年7月)である。
その後、「市民編」、「高知編」、「学校安全編」、「大学生編」、「要援護者編」、「災害ボランティア編」などが作成されている。
「神戸編・一般編」と「市民編」については、京都大学生協を通して一般販売されており、個人でも入手可能。