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清永 佳代(きよながかよ)さん (2014年9月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

西日本鉄道株式会社 経理部資材課 課長 (取材時:人事部人材開発課 課長)

今まいた種がいつか実を結ぶと信じて

 西日本鉄道株式会社で、13年にわたり人材開発に携わってきた清永佳代さん。同社の女性で2人目の課長だが、本人はいたって自然体で、「仕事が面白くて、気がついたら今に至っていました」と微笑む。取材のとき、部下のことを「部下」ではなく「メンバー」「預かっている人」と呼び、終始にこやかで誠実な話しぶりが印象的だった。

どんな立場でも自分の意見を持とう

 小学生の頃から糸島に住み、高校は弓道、大学では琴をたしなむなど、和の文化に関心があった。福岡の大学を卒業後、西日本鉄道へ入社。最初の所属は観光事業部だった。「かしいかえん」など遊園地の統括業務に携わり、「にしてつレッツハイク」というお客様を山に案内する業務も担当。「仕事でお客様と交流できることが楽しかった。下見で川に落ちたこともありますが…。上司や先輩・同僚に恵まれ、目の前の業務に打ち込みました」と振り返る。
 社内向けの企業理念浸透のプロジェクト推進室を経て、1997年広報室へ。ホームページ担当や社内・グループ内広報となり、翌年、30歳で女性2人目の係長となった。「正直なところ、上の先輩もいる中で、自分が上司になることに戸惑いました。でも、昇格した日から先輩が敬語を使われ、私も気持ちを入れ替えました」。その頃、清永さんにはハッとした出来事がある。「上司に決めてもらいたい案件があり、話しに行くと、君はどうしたいのと問われたんです。決めるのは上司だと思っていたけれど、自分はどうしたいのか、きちんとした根拠や理由とともに自分の意見を持たなくてはならないと自覚しました」。

昇進で仕事とメンバーへの責任感が増した

 2001年、人事部人材開発課へ係長として異動。ほどなくして結婚しても、働き続ける道を自然に選んだ。清永さんの業務は、主に社内・グループ内研修の企画と運営。4年後には課長に昇進、今思えば、それが大きな転機だったという。「係長と課長では、気構えが全く違ったんです。係長はすぐうしろで課長がサポートしてくれるという感覚だったのですが、課の全てを任された気がして。チームとしての仕事はもちろん、預かっているメンバーに対しての責任もより重く感じましたね」。その後、通算13年にわたり同じ部署で働いている。「これだけ長くいると、自分の中に経験が蓄積されています。でも、メンバーに以前と同じやり方を押し付けないように気を付けています。目的が同じで、その目的が実現できるのなら、やり方はその人なりに変えて構わない。メンバーが自分の仕事に責任と誇りを持ち、意欲的に取り組めるよう、安心できる雰囲気を作りたいと思っています」。

人事の仕事は、会社の未来に責任がある

 清永さんが仕事で大切にしているのは、「何のためにやるのか」という目的意識だ。「研修は手段であって、目的ではない。目的は従業員一人ひとりがやりがいを感じて働くことで成長し、それを会社の成長につなげること。そして、従業員が当社で働いてよかったと思えるような会社づくりに貢献したい。この仕事は、結果がすぐ目に見えるものではないけれど、会社の未来に大きな責任がある。今、私たちがまいた種が実を結んでいくと信じています」。もうひとつ、清永さんが新入社員の研修で話すことがある。「働くという漢字は、人と動くでできている。私にとって働くことは、お客様や同僚、上司、取引先など、自分以外の人のために動くことだと考えています」。
 人事に携わって13年、課長職として9年、様々な人たちと接してきた清永さんは今、こう実感している。「働き方、周囲への貢献の仕方にはいろいろな形があり、皆が管理職を目指さなければならないということはないと思います。ただ、私は係長の辞令交付の日は正直『自分にやれるだろうか』と気が重かったのですが、実際にやってみるととてもやりがいを感じています。管理職として預かっている人たちを信じて関わり続けると、グイッと成長することがある。それが本当にうれしく感動します」。そして、「私だけでは何もできないから、チームの皆にありがとうございますという気持ちで働いています」と頭を下げながら、笑顔で語る清永さん。この謙虚な姿勢で、これからもしなやかにキャリアを積んでいくのだろう。(2014年9月取材)

コラム

私の大切な時間

 もともと日本の文化に興味があった清永さんは、結婚後に華道を習い始め、指導できるお免状も持っているほどの腕前だ。「池坊の先生のところへ月2回、13年ほど通っています。いけばなの魅力は、その日の花材の一番美しいところを見つけ、まわりの空間も含めて自分の世界を表現・構築できることですね。仕事から離れ、素で人と付き合える大切な時間でもあります」。写真は今年の放生会に出展した清永さんの作品。

プロフィール

北九州市で生まれ、7歳から糸島で暮らす。福岡女子大学文学部を卒業後、1990年に西日本鉄道株式会社に入社。観光事業部、POT推進室、広報室を経て、2001年に人事部人材開発課に配属。2005年から2015年6月まで人材開発課長を務める。2015年7月、経理部資材課長に就任。

 

 

 

 


 

 

 

 

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