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河原 久美(かわはらくみ)さん (2014年9月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

株式会社読売新聞西部本社 広告局 広告第一部 部長

何事も自分の心がけ次第

 さっそうと歩き、明るくテキパキとした受け答えが印象的な河原さん。27年前、読売新聞西部本社に入社した当時、まわりにロールモデルはいなかったという。そのため、誰の真似でもなく、経験を重ねながら自分なりに仕事のやり方を考え、信念を見出し、歩んできた。

30歳を前に、仕事へ向かう姿勢を変えた

 14歳から遠賀郡に住み、北九州市立大学へ進学。「中国語は将来性がある」と考え、中国語学科で学んだ。「一生の仕事を探そう」と就職活動に臨んだが、男女雇用機会均等法施行の1年目で、優秀な女性でも就職先を探すのは難しかったという。そんな中、読売新聞西部本社を受験し、業務職枠で採用された。
 4年制大学卒業の女性が正社員として入社したのは、初めてのこと。広告局に配属され、営業担当になった。平均年齢40歳ほどの男性の中で、紅一点。「当時の新聞社は、封建的な男性社会。ですから、私を採用してみたものの、明らかに扱いに困っていましたよ。話しかけようとしたらサッと引かれたり、逆に厳しく指導されたり…。最初は辛く感じたものの、すぐ慣れました。とにかく女性は珍しかったから、社内外で名前を憶えてもらえたのはよかった」と大らかに笑う。
 入社から現在まで、広告一筋。振り返ると、29歳の頃に転機があった。「自分で思い立って、仕事のやり方を変えたんです。それまで受け身で言われた仕事をしていたけれど、自分で決めて、必ずやり遂げるようにした。あと、後ろ向きなことは考えない、コミュニケーションをしっかり取る、スピーディに対応する。この4つを2~3年心がけているうちに、『これをやってみないか』と言われたり、他の部署からも声をかけてもらったり。うまく回るようになったと実感しました」。周囲に何かを求めるのではなく、自ら変わることで、状況が好転したのだ。

覚悟を決めてやれば、何でもできる

 30代で内勤の広告整理部も経験。内勤時代、上司から「いろんな会社や部署で、君はどうしてるのっていつも聞かれるんだよ」と言われたこともある。2007年に営業へ戻り、課長に就任した。
 これまで手がけた多様な仕事の中でも、特に河原さんの印象に残っているのは、2008年に三越・福岡店で開催した「王貞治 50年の軌跡 読売新聞報道写真展」だ。同年、福岡ソフトバンクホークスの監督を退任した王さんの、野球人生を追う写真60点ほどを展示した。「私はスポーツ音痴で野球が全くわからないけど、担当として写真部をはじめ各所から貴重な写真を探し、選び、大きさや配置まで決めました。王さんもご来場になり、『いい写真をありがとうございます』と声をかけていただいたのはうれしかったですね。たとえ知識や経験がなくても、仕事でやると決めたらできる。それがわかり、自信につながりました」。

明るく・よくしゃべる・長所をのばすがモットー

 2014年4月、部長に昇格。8人のチームをまとめる立場で、心がけていることを尋ねると、「できるだけ早く判断して、決断したら私の責任だと明言する」とすぐ明瞭な答えが返ってきた。それから「短所を直すのではなく、長所を伸ばすこと。足りないところはフォローしてもらえばいい」とも。さらに、ユニークな持論もある。「いいアイデアは、明るく軽くノリのいいところにおりてくる気がするから、明るくしていること。そして、よくしゃべることも大切。私自身、誰かと話していると、知りたかったことが相手からポンと出てきたり、ひらめいたりすることが結構あります。他愛ない話の中に、思わぬ発見があるかも。だから、みんな日ごろからたくさんおしゃべりして、コミュニケーションを取ってほしいですね」と楽しそうに話す。
 最近は、新聞の在り方も変わってきた。「新聞広告はセミナーなどと連動した企画が多く、仕事が立体的になってきました。また、新聞社として部署横断で何ができるか、新たな可能性を模索しているので、社外とつながりのある広告局が窓口になれれば」と力を込める。
 長年、広告営業に携わり、社内外の人たちと働いてきた河原さんは断言する。「女性はコミュニケーション能力や相手の要望をくみ取る力、共感力が高いので、営業はもちろん、社会で働くこと自体に向いています。自信を持って、社会で活躍してほしい」。そう言うと、あたたかい笑顔を見せた。(2014年9月取材)

コラム

私の大切な時間

 沖縄の離島が大好きで、20代の頃からほぼ毎年訪れていた。「宮古島は、時間の流れがまるで違いますね。海辺で波の音を聞きながら、ビールを飲むのが至福のとき。3メートルぐらい潜って、美しい魚を見たりします」と河原さん。「ダイビングですか?」と聞くと「いえいえ、素潜り。海女さんみたいでしょ?」と茶目っ気たっぷりに笑う。そして、最近の日常の楽しみは、日本酒を飲むこと。「日本酒は日本が誇る文化の一つ。福岡や佐賀、山口にはいい酒蔵がいっぱいあるので、いつかゆっくり酒蔵めぐりをしたいですね」。

プロフィール

山口県宇部市生まれ。父親の転勤で各地に住み、中学2年生から遠賀郡へ。北九州市立大学外国語学部中国語学科を卒業。1987年に株式会社読売新聞西部本社に入社。広告畑を歩み、2007年に広告第一局第二課課長となり、2014年4月、広告局広告第一部部長に就任。

 

 

 

 


 

 

 

 

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