【ロールモデル】
ロールモデルとは
コミュニティコミュニケーション・サポートセンター代表理事(現在) 「地球共育の会・ふくおか」(2005年12月取材時)
「地球共育の会・ふくおか」は、人々が本来もつちからを十分に発揮することのできる社会をめざし、地球規模の課題を主体的に考え行動できる態度・技能・知識を育む、共に学び合える場(ワークショップ、参加体験型学習)を提供しているNPO(NGO)です。椿原さんは現在外務省NGO専門調査員としてこの団体で活発に調査研究活動をしています。また、NPO法人ふくおかボランティアネットの副理事長に就任されるなど多彩な活動をしています。 椿原さんの経歴を伺うと実に複雑ですが、「国際協力がしたい」その思いとそれを発信し続けたことが多くのチャンスを引き寄せました。
椿原さんが国際協力の仕事に従事したいと考えられたのは小学校6年生の時です。ある授業で先生が持ってきたバングラデシュの子どもの写真を見て強い衝撃を受けました。幼少の頃、医者が少なく簡易な治療しか受けられない伊豆の島に住んでいたため、助かる命が医師不足、設備不足によって失われる現状に疑問を感じており、その経験から僻地で医師として働きたいと考えていました。この写真を見た時、より困難な国があることを知り「助かる命を助けられる人になりたい」と考えたのです。「医師になろう」と志しましたが、その困難さから挫折してしまいます。卒業後は関心があったカメラマンの仕事に就き、その仕事を続けながらも国際協力の夢を育て続けていました。
カメラマンを数年続けた後、自分の人生が変わるきっかけを求めて、当時JICA(国際協力 機構)専門家としてドミニカ共和国にいた友人を訪ね、それが転機となって、カメラを通した国際協力をすることになりました。青年海外協力隊の活動風景や教科書に使う写真、JICAプロジェクトのカレンダー撮影などを任され、同時に国際協力やNGOについて学びました。その後、ODA民間モニターとしてマレーシアを訪問。この体験や思いをラジオなどのメディアを通して発信したことで、人のつながりが生まれ、やりたかった現在の国際協力の仕事への道が拓かれました。
(注)ODAとは、Official Development Assistance(政府開発援助)の頭文字を取ったものです。政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つために行う資金・技術提供による協力のことです。
椿原さんは、「日本の人々と途上国の人々がお互いに成長する、学び合える関係になるためには何が必要か」ということをテーマに、「講座やイベントはじめ国際協力への取り組みの中で人々がどのような過程(プロセス)を経て変化していくのか」という調査をされています。「私の仕事は日頃見えにくい世界や地域で起こっていることを考える場をつくることで、変化のもとになる“心の種”をまくことです。その種を育てる土は人々が持っている力、水や光は人との出会いや多くの体験。一瞬にして種が芽吹く人もいるし、長い年月をかけて芽を出す人もいます。そういう変化に関われることが嬉しいですね。」 この活動は人が変わる瞬間に出会える。そこに見える人間の無限の可能性こそ希望であり、その可能性の開花こそ椿原さんのめざす教育(共育)であり、国際協力の原点です。
この仕事を通して様々な国、世界を見てきた椿原さんだからこそ、ひとりひとりが変わることが世界にどれだけプラスにはたらくかを感じています。日本の問題、世界の問題…。常に世界に目を向け、存在する多くの問題を人々に発信し共に考えることで、椿原さんが過去にバングラデシュの子どもの写真を見てこの分野で生きることを決めたように、多くの人がその想いを引き継いで国際協力の場で活躍することができると思います。
この仕事を通して様々な国、世界を見てきた椿原さんだからこそ、ひとりひとりが変わることが世界にどれだけプラスにはたらくかを感じています。日本の問題、世界の問題…。常に世界に目を向け、存在する多くの問題を人々に発信し共に考えることで、椿原さんが過去にバングラデシュの子どもの写真を見てこの分野で生きることを決めたように、多くの人がその思いを引き継いで国際協力の場で活躍することができると思います。
(2005年12月取材)
NPO地球共有の会・ふくおかでの活動、市の生涯学習まちづくり推進本部実行委員や市政レディースモニターを務めるほか、外務省NGO専門調査員としての活動、さらにボランティアネットの副理事長にも就任するなど多彩な活動を展開している。
〈これまでの歩み〉
学校卒業後、カメラマンの仕事を続けながらも国際協力の夢を育て続ける。
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ドミニカ共和国にいたJICA(国際協力機構)専門家の友人を訪ね、それが転機となって、カメラを通した国際協力をする。
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さらに、国際協力をしたいという思いから、地球規模の課題を主体的に考え行動できる態度・技能・知識を育む、共に学び合える場(ワークショップ、参加体験型学習)を提供しているNPO「地球共育の会・ふくおか」で活動する。
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現在、外務省NGO専門調査員としても、活発に調査研究活動を行う。 また、ボランティアネットの副理事長 としても活動している。
キーワード
【た】 【NPO・ボランティア】