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ふくおか女性いきいき塾④  もっと早く知りたかった 社会保障と税制

※講義内容の配偶者控除の見直し案は平成28年8月時点の情報です。

本日は、女性と社会保障と税制の関係、103万円や130万円の壁の話を中心にお話します。

まず女性の就労と103万円の壁からお話します。103万円の壁の1つ目は所得税非課税限度額の103万円です。基礎控除38万円、給与所得控除最低額65万円合わせて 103万円までが所得税非課税となります。仮に104万円稼いで所得税を負担しても、働いた以上に手取額が減るわけではないのですが、「心理的な壁」があるようです。

2つ目は「配偶者控除」と「配偶者特別控除制度」です。「配偶者控除」はまだ共働き世帯が少ない、昭和36年に制定されました。自営業者とサラリーマン間の税負担の不公平感の緩和、賃金は得ていないが、男性が働くことに貢献しているという専業主婦の内助の功を意図した制度です。扶養の立場である配偶者の収入が103万円に達するまでは、38万円の配偶者控除が受けられます。103万円を過ぎると「配偶者特別控除」に切替わり控除金額が下がっていき、141万円以上になると控除は0円になります。

3つ目は企業の家族手当です。多くの企業が配偶者の収入が103万円未満であることを家族手当の支給要件としています。実質的にはこの企業の家族手当の打ち切りは家計には大きく響きます。


    次に、130万円の壁ですが、こちらは年金や医療保険が関係しています。日本の年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てで、職業によって、加入する年金制度が変わります。第1号被保険者は自営業者、フリーター、無職、学生で国民年金に加入し、定額の保険料を負担します。第2号被保険者は会社員と公務員で厚生年金に加入し、所得比例の保険料を負担します。第3号被保険者は第2号被保険者の被扶養配偶者で、多くが専業主婦です。第3号被保険者には保険料負担はありませんが、年収が130万円を超えると第1号被保険者として保険料負担が生じます。1号も3号も老齢基礎年金額は同額なので、保険料負担を回避するために、年収を調整する「130万円の壁」ができてしまいます。このように、103万円の壁、130万円の壁は、女性の労働供給を抑制し、就業選択の中立性に問題があると指摘されています。

      現在、女性と税制、年金制度に関する見直しが検討されています。
       1つは、配偶者控除の見直しです。現在の政府の動きとして①配偶者控除の廃止、②配偶者の所得の計算において控除しきれなかった基礎控除を納税者本人に移転する仕組みの導入、③夫婦世帯に対し配偶者の収入にかかわらず適用する新たな控除(夫婦控除)創設の3案が提示されています。


       もう1つは2016年10月に導入される短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大です。従業員501人以上の企業で1年以上雇用期間があり、週20時間以上、月額賃金8万8千円以上の労働者(学生除く)が被用者保険の適用対象となります。新たな保険料負担は生じますが、老後の年金額もアップするので、非正規労働者の高齢期の貧困リスクの低下が期待されます。併せて、第3号被保険者数が減少するので、いわゆる3号問題の解決も期待されます。


        タイトルふくおか女性いきいき塾④  もっと早く知りたかった 社会保障と税制
        開催日時 2016年8月27日(土)

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